歴史的な円安が、家計の味方・100円ショップを直撃している。

2日に「イット!」の取材班が訪れたのは、神奈川・川崎市の住宅街に店を構える100円ショップ。
品数豊富で価格も安い“家計の味方”とあって、多くの人が訪れていた。

利用客からの「週2回くらい(利用する)。簡単なリフォーム(用品)とか、食材が安かったりするので。安さですかね」といった声の一方、店は終わりが見えない円安に打撃を受けていた。

100円ショップ越後屋・坂井一彦店長「昔は(食品が)いっぱいだった。並んでいたけど、今は並べる物がない。雑貨がだんだん増えてきた状態」

棚いっぱいにあったという食品は減り、代わりに雑貨などが多く陳列されている。

坂井店長「ここ半年くらい、急激に品物がなくなってきちゃった。円安の影響があると思う」

商品の約半分が海外からの輸入品のため、円安の影響は計り知れないという。

さらに案内されたのは、カップ麺が置いてある棚。

坂井店長「こちらカップ麺のコーナーですね。(以前は)下まで各メーカー全部あって、今はわずかしか残っていない。50種類くらいあった。今は十何種類しかない」

前は棚一面に置かれていたカップ麺も、今は4分の1までに減り、下の棚には、やはり雑貨が陳列された状態。

しかし今、その雑貨にも円安の大きな影響が迫っていた。

入荷が止まっているコピー用紙は、来週あたりから店頭に並ぶというが、今までどおりの枚数では売れないという。

坂井店長「今まで100枚だったんですけど、それが60枚になるってことで。100円で売らなきゃいけないので、しょうがないです」

商品の仕入価格が軒並み上がり続け、100円で売れるものが少なくなってきているという。

坂井店長「カップ麺も10円近く値上がりして厳しい。(仕入れ値)100円超えています。もう2~3円上がったらアウトですね」

85円ほどだったカップ麺の仕入れ値が、今は販売価格とほぼ同じ。
あと数円上がれば、仕入れることが難しくなるという。

100円にこだわり続けて25年。
店は、地域に人にとっては欠かせない存在だ。

買い物をする客「(100円ショップ)なくなってほしくはないですね」「(なくなってほしくは?)ないです」

しかし、この円安では、個人経営の店が100円を維持するのはかなり厳しいと専門家は指摘する。

流通アナリスト・中井彰人さん「大手の100円ショップの場合だと、100円~300円と商品の価格帯を増やして豊富になっている。100円ショップだと名乗らずに品ぞろえを見直すことで、生き残る可能性がある」

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