いま京都には、海外からの観光客が集中している。

街には、インバウンド向けの施設も誕生する一方で、「オーバーツーリズム」に悩まされる人たちも。観光地・京都のいまを取材した。

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5月3日から始まるゴールデンウィーク後半戦では、より多くの人が集まり、混雑すると予想されている。

そんな京都のにぎわいを支えているのが、インバウンド客。

円安の影響もあり、新型コロナの影響で一時はほとんどゼロになったインバウンド客の比率は、グングン上昇している。

海外からの観光客:京都は文化と歴史・素晴らしい。
海外からの観光客:(円安で)より多くお金が使えるね。
(Q.浮いたお金を何に使う?)
海外からの観光客:ポケモンカード!

そんな中、いま京都では、インバウンド客の「受け皿」となるような施設が、続々と誕生しているのだ。

■ラグジュアリーホテルやハラルフードなどインバウンド客向け施設が登場

4月開業したのは、日本初上陸の外資系ラグジュアリーホテル「シックスセンシズ京都」。

その特徴はモダンでありながら、京都文化と調和・融合したさまざまな体験ができるところ。

記者リポート:こちらではししおどしを見ながら、長いフライトで疲れた、足や体を癒すことができます。

和の心を感じながらリラックスすることで、長旅の疲れも取れそうだ。

さらに、スパルームでは。

用意された毛筆で書画を描く体験ができ、心を落ち着けてから、静かな空間でマッサージを受けることができる。(※マッサージ30分1万9000円~)

また、広々としたダイニングでは、京都産の和牛や鰆などを使ったランチも提供される。

部屋は標準のデラックスツインで15万円から。

さらに…。
記者リポート:一番ランクの高い部屋に入ります。ホテルの一室とは思えないくらい広いです。どうやってくつろでいいのかあまり分かりません。

最高級のスイートルームは一泊なんと200万円から。

非日常が体験できる分、お値段は強気の価格設定だが、外国人旅行客にも人気が出ているということで、ゴールデンウィーク中の予約の約半分は、海外からの客によるものだという。

一方、京都市内の一角には、よりターゲットを絞った飲食店が登場した。

記者リポート:京都の観光地にあるこちらのお店、実はイスラム教徒の方でも楽しめる、ハラルフードのレストランです。

「京都ハラルビル」は、一棟まるごとイスラム教の戒律で食べてよいと定められている「ハラルフード」を提供しているレストランだ。

こちらのラーメンは、イスラム教で禁じられている豚肉やお酒などは食材として一切使わずに、和牛のスライスをふんだんに使用。調味料も豚やお酒が入っていない、ハラル認証を受けたものが使われている。

麺と和牛 帆のるぐらんで京都 工藤慶一料理長:うまみを限界ギリギリまで抽出して、味わってもらうために努力しています。

また、食べてもいいとされている牛肉や鶏肉も、イスラムの戒律にのっとって処理されたものだ。

来店客:インドネシアから来ました。スパイシーチキンラーメンおいしいです。

ドイツからの来店客:唐揚げがすごく軟らかいです。他のレストランでは、豚と一緒に調理したか聞かなくてはならないですが、こういうレストランは懸念なしに食べられます。

もともとこの近くに1号店があり、好評だったため2号店を出したという。

アセットフロンティア島居里至代表取締役CEO:食を楽しみしているムスリムの方々も多くいらっしゃる中で、ハラルの対応ができているお店が非常に少ないということで、一棟丸ごとで、日本の色んな食文化を楽しんでいただこうと、色んなメニューを出すハラルビルを作りました。

■商店街の住民とインバウンド客との共存 世界各地の市場と一緒にユネスコの無形文化遺産を目指す

一方で、海外からの観光客が増えることで問題となるのが、「オーバーツーリズム」だ。

「京の台所」として親しまれる錦市場。商店街に訪れる人の7割から8割ほどは、海外からの観光客。

インバウンド客は重要だが…、一方で。
記者リポート:海外からの観光客でしょうか、食べ歩きをしています。

商店街は公道。注意喚起の張り紙もあるが、食べ歩きをする海外からの観光客の姿が、きょうもあちこちで見受けられた。

さらに、ポイ捨てされたとみられるゴミも。商店街側はこれまでにも、「有料ごみ箱」を設置する実証実験を行うなど、様々な対策を行ってきたが、解決には至っていない。

田中鶏卵店主 田中久美子さん:ごみをバーンと投げるのは海外の人が多いですね。ここの場所(イートインスペース)も作って、ここで完結してもらっている。うちが閉めたあとに、ごみとかが店の近所に(落ちている)。

そんな中、ある大きな動きが。商店街側は、錦市場を含む世界各地の13の市場が6月にも協議会を発足させ、ユネスコの無形文化遺産を目指すと発表した。

協議会では、連帯してオーバーツーリズム対策にも取り組む。現状、課題は山積みだが、大きな目標にむかって、一丸となって進むことはできるのだろうか。

大國屋店員:観光と地元の方との上手な調整の仕方を模索してるというか。楽しんでいただくのはいいんですけど。それで(商売が)成り立っていけば、それはいいことだと思う。

インバウンド客と共存する観光地へ。模索が続いている。

■京都市のオーバーツーリズムによる混雑対策 「快適度マップ」「市バスから地下鉄へ無料振り替え」

5月3日からのゴールデンウィーク後半、混雑が予想される京都ですが、様々な対策に乗り出している。

「混雑回避に役立つ 京都観光快適度マップ」という、京都市観光協会が混雑回避に役立つ情報をホームページ上で提供している。

京都の人気の観光地のエリアがマップになっていて。気になるエリアをクリックすると、向こう1週間の混雑予想が表示される。赤が、多くの観光客でにぎわうということだ。晴れ、雨、大雨といった天候別でも見ることができるという。

さらに画面の下の方に行くと、ライブカメラ映像がある。
この画面を拡大してみます、現在の様子がリアルタイムで確認できる。

人気スポットの混雑の様子がリアルタイムでわかるのは、便利だ。

さらに、ゴールデンウィーク中の交通機関による混雑対策にも乗り出している。

京都市ではゴールデンウィーク期間中の土日祝日限定で、市バスから市営地下鉄へ無料振り替えを行っている。

例えば人気観光地の東山や金閣寺方面などから、京都駅に向かう市バスはいつも混んでいる。特に午後3時半から午後6時50分は、皆さん観光した後、京都駅へ帰ろうとしてごった返す。

京都駅へそのままバスに乗ってもいけるが、途中下車をすると、バスを降りるときに無料の振り替えチケットがもらえて、チケットを持って地下鉄に行くと、京都駅まで地下鉄を無料で利用できる。

混雑回避のためにもこうしたサービスを活用していただきたい。ゴールデンウィーク後半、京都へおでかけの方は混雑する時間などを上手く避けながら観光を楽しんでいただきたい。

(関西テレビ「newsランナー」2024年5月2日放送)

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