「プッチンプリン」などグリコを代表する商品群も出荷停止状態が続く(写真:グリコ)

再び「プッチンプリン」を味わえる機会が、さらに遠のいた――。

菓子メーカー大手の江崎グリコは、4月に発生した基幹システムの障害の影響で「プッチンプリン」「カフェオーレ」「アーモンド効果」「BifiXヨーグルト」など、17ブランドのチルド商品が出荷停止状態となっている。

障害の原因は特定できたが

グリコはこれまで出荷再開の時期を5月中旬としていたが、5月1日に出荷停止期間を延長すると発表した。再開時期は6月中をメドとしている。なぜ再度の延期となってしまったのか。

キリンビバレッジの果汁飲料「トロピカーナ」などもグリコに販売を委託しており、出荷停止状態だ(記者撮影)

現在、グリコはシステムの改修に着手している。問題となったのは、システム上の在庫数と実際の在庫の数が異なるなど、データの不整合だった。詳細は明かしていないが、障害の原因は特定できており作業を進めているという。

予定より遅れるのは「システム改修が完了した後、物流倉庫における現場での検証を行うことを決めたため」(グリコ広報)。

今回影響が生じているチルド商品には、牛乳やヨーグルトなどの日配品(毎日配送される賞味期限の短い食品)も含まれている。これらは倉庫での出入庫のスピードがほかの商品よりも早く、データ修正の作業をしっかり間に合わせる必要がある。

出荷再開に向けて1日の業務が正常に行えるかなど、一連のプロセスを検証してから具体的な再開の見通しを検討するという。

再開時期の延期で、業績への影響が懸念される。長期間、店頭に在庫が補充されないことによる機会損失はもちろん、日配品の廃棄などもありそうだ。当然、人件費など危機対応の費用もかかっているだろう。

グリコの今2024年12月期第1四半期決算(2024年1~3月期)発表は、5月8日の予定。

2024年度の売上高は前期比5.5%増の3510億円、営業利益は同2%増の190億円を見込んでいた。値上げ効果やアイスクリーム、ヨーグルト、アーモンド飲料などの伸びを織り込んでいた。しかし今回の障害の影響を受けて、業績予想修正などの可能性もありそうだ。

システム改修を着実に実行し、6月の再開を確実なものにできるか。グリコの正念場が続く。

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