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 1968年発売のボードゲーム「人生ゲーム」。先週、新商品の「100年人生ゲーム」が発売された。このゲーム、従来のものとは違い、お金を集め億万長者を目指すわけではないという。一体、どのようなものなのか?

■昭和、平成、令和…愛され続ける「人生ゲーム」

100年人生ゲーム この記事の写真

 先週、人生ゲームの最新作「100年人生ゲーム」が発売された。この人生ゲームはこれまで時代と共に様々な「マス」が生まれてきている。

アメリカのボードゲームを直訳

 1968年(昭和43年)高度経済成長終盤のこの年、タカラトミーが初めて人生ゲームを発売。初版はアメリカの大人気ボードゲームを日本語に直訳したものだった。「高級車ロールスロイスを買う」「北極探検にいく」。

日本オリジナルの内容に変更

 アメリカンドリームに富んだマスが並んだ初版から15年後、ファミコンが発売された1983年(昭和58年)には日本のオリジナルの内容に変更された人生ゲームの「3代目」が発売される。「お世話になった人達にお歳暮を贈る」「正月休みに4泊5日のスキーツアーに行く」。

 そして、バブル景気に沸いた1990年には、「ランバダを踊り、腰を痛める。50万円払う」「ベルリンの壁を売って一儲(もう)け。1000万円もらう」

8代目まで登場

 昭和、平成、そして令和と、時代を超えて愛され続けている「人生ゲーム」はこれまで8代目まで登場している。

■最新作は「幸福度」を点数化

 そして、先週発売された最新作「100年人生ゲーム」。実はこれまでとは変わっている点がある。

 「2時間かけて登校した末に休校を知る。1000ウェルポ失う」「昔の同僚と食事。『あなたとの仕事が一番楽しかった』と言われた。1万6000ウェルポ得る」。

幸福度を点数化

 お金を集めて億万長者を目指すというこれまでの人生ゲームとは異なり、幸福度を点数化した「ウェルポ」をゴールである「100歳の誕生日」までに最も集めた人が勝ちというルールになっている。

「終活で気持ちが楽に」

 「パートナーとの大切な約束を破り、3カ月口をきいてもらえない。1000ウェルポ失う」「終活で、気持ちが楽に、心が自由に。8万ウェルポ得る」。

 ボードゲームカフェを訪れていた客に「100年人生ゲーム」を遊んでもらった。

主婦(50代)
「『バイトの初給料で家族にハンバーグをご馳走。4000ウェルポ』。(ウェルポを)得るんだ。そうか、幸せを得たんだ」 会社員(50代)
「大人になってからやった方が面白い。若い子だと実感できないことも入っているから」 主婦(50代)
「客観的に人生を見られる感じがします。こういうことがあったら自分の幸せ指数減っていたんだとか」 エピソードは実際の体験談

 こういったゲームのマスやカードに書かれているエピソードは、実際の体験談に基づいて作成されている。

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■幸せを追求する…生まれた背景は?

■幸せを追求する…生まれた背景は?

 お金ではなく幸せを追求する人生ゲームが生まれた背景を見ていく。

6カ国を対象「100歳まで生きたいか」を調査

 開発に関わった博報堂のシンクタンク100年生活者研究所は、今年3月に日本を含めた6カ国を対象に「100歳まで生きたいか」を調査した。その結果「そう思う」と答えた人はアメリカと中国が65%を超えていて、フィンランド、韓国、ドイツが50%越えだったのに対し、日本は27.4%とひときわ低かったという。

 また、「何歳まで生きたいか」を聞いたところ、日本だけが平均寿命を下回ったということだ。

 なぜ日本人はこのような結果になったのだろうか?調査を詳しく見ると、その理由が浮かび上がってきた。

日本人はネガティブな側面に注目

 日本人を対象とした自分の100歳までの人生についての意識調査では「幸せそう」と答えた人が21.1%だったのに対し、「大変そう」と答えた人は59.5%。また、「チャンスが増える」と答えた人は28.7%、「不安が増える」と答えた人は60%だった。

 さらに「みんなの役に立ちたい」は32.6%、一方で「みんなに迷惑を掛けたくない」は71.2%となるなど、日本人はネガティブな側面に注目する人が多いことが分かったという。

ポジティブな面に目を向けてほしい

 こうした結果を踏まえて、100年生活者研究所は加齢に伴う不安と問題に対処していくのと同時に、人生が長くなることで生まれるポジティブな面に目を向けてほしいという思いから「100年人生ゲーム」を開発したという。

■幸せの基準は人ぞれぞれでは?担当者に聞く

 ただ、このゲームでは止まったマスの内容によって幸福を点数化した「ウェルビーイングポイント(ウェルポ)」が増減するルールになっている。

 これについて「幸せの基準は人ぞれぞれでは?」と思う人もいるだろう。このことについて、100年生活者研究所の田中卓副所長に話を聞いた。

幸せの基準は人それぞれでは?

 「ゲームを通じて違いや共感を議論することで、自分の幸せというものについて考える機会にしてほしい」と話していた。

(「大下容子ワイド!スクランブル」2024年11月26日放送分より)

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