冬の到来とともに暖房の使用が増え、多くの人が電気代の上昇に頭を悩ませている。物価高騰が続く中、効率的な暖房の使用方法を知ることは、家計の負担を軽減する重要な鍵となる。

家電メーカーパナソニックで空気環境を専門に扱う福田風子さんに、エアコンを中心とした冬の節電術について詳しく聞いた。

パナソニックエアーマイスターの福田風子さんによると、「実は夏の冷房よりも暖房の方が電気代が多くかかる傾向にある。外の気温が冬になると0℃とかマイナスになってくると思うが、設定温度をだいたい20℃とかにすると、温度差が大きければ大きいだけ消費電力がかかる」と話す。

エアコンは設定温度に到達するまでが最も電力を消費するため、外気温と設定温度の差が大きい冬季には電気代が高くなりやすい傾向にある。

さらに注目すべきは、同じ温度差でも、冷やすよりも温める方が消費電力が大きいという点だ。

加えて2024年は政府が8月から実施していた電気代の補助が10月使用分で終了した。この補助金の終了により、多くの家庭で電気代の実質的な増加が予想される。

このような背景から、効率的なエアコンの使用法を知ることは、2024年の冬の節電において重要となっている。

では、具体的にエアコンをどのように使えば良いのだろうか。

ナソニックエアーマイスターの福田風子さんは、「一番は設定温度で、目安は室温20℃」と話す。

しかし、設定温度だけでなく風向きも重要な要素で、暖かい空気は上に上がってくるため、風向きは足元に向け一番下にすると良いという。

エアコンの効率的な使用には、風量の設定も重要な役割を果たす。
節電のためにと風量を弱める人がいるが、実はこれNG行為だと福田さんは話す。

そのうえで福田さんは、「風量を弱めてしまうとなかなか設定温度にならないのでエアコン側はずっとパワーを使ってしまう。エアコンは設定温度になった後は弱い運転に切り替えるので、おすすめは風量を『自動モード』に」とアドバイスする。

自動モードを使用することで、エアコンが室温に応じて最適な風量を自動的に調整し、無駄な電力消費を抑えることができるのだ。

さらに、暖房効果を高めるための工夫としてサーキュレーターを活用し、上に溜まった暖かい空気を部屋全体に広げるため、エアコンと対面する形でサーキュレーターを上向きで設置することも効果的だ。

このほか、2週間に1回程度のフィルターの掃除や室外機周辺の掃除窓の遮熱対策も節電には有効だ。

福田さんのアドバイスを参考に、少しずつの工夫による効果的な節電対策で、この冬は賢く暖かく過ごしたい。

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