いま旬な人や話題の人に直接会って話を伺う中塚美緒のLiveトーク、今回のゲストはアメリカ・ニューヨークの第一線で活躍する玉野市出身のジャーナリスト・高橋克明(よしあき)さんです。「NYでジャーナリストになる」という子供の頃からの夢を叶えた奇想天外な人生とは。
「世界最高の街でほぼ毎日最前線に取材をしている。世界のトップともインタビューしてきた。おそらく日本人でも一番面白い仕事をしていると自分で思っている」
母校、玉野光南高校で講演する高橋克明さん。イベント業や、コンサルタント業など6つの事業をNYで展開。中でも、週刊邦人紙「ニューヨークビズ!」では、自らトム・クルーズにリチャード・ギア、YOSHIKIなど日米のトップスター1000人以上にインタビューしジャーナリストとしても活躍。今、NYで最も注目を集める日本人の1人です。
Q:発行されている「ニューヨークビズ!」について特に印象深かった取材は?
(高橋克明さん)
「特にニューヨークの最前線の取材に行くので、どれというよりも本当に日々新たな発見というか、毎日行くので、多分「印象に残ってる日」×365。本当に世界で一番楽しい仕事をさせてもらっていると思う。特に一般紙なので、あらゆる業界の、アメリカ合衆国大統領からハリウッドスター、メジャーリーガーからイタリアマフィアのボスまであらゆる人間にインタビューすることで、どこかで、自分の仕事であるが(自身の)血と肉となっているような気がする」
Q:インタビューのコツは?
「いつも思っているのは小学校3年生を心に住まわせてからインタビューするようにしている。小学3年生が一番聞きたいことってなんだろう。例えばNASAの宇宙パイロットにインタビューする時にもし僕が小学校3年生だったらと考えたら、一番聞きたいのは「おっちゃん、地球って外から見てどうだった?」とか「なんでパイロットになろうと思ったの?」とか、多分そうだと思う。だから、(ニューヨークに来た)樹木希林さんにインタビューした時に、ちょうど亡くなる何週間か前だったが、小学校3年生の僕が「おばちゃんなんで女優さんになったの?」って聞いたのでそのまま聞いた。「女優になったきっかけ何ですか?」って。「私、今までいっぱいインタビューを受けたけど、そんなこと聞いてくれたことない」ってうれしそうに笑ってくれたので、その希林さんの笑顔を思い出したらやっぱり自分のインタビューのやり方で正解だったのかなと思う」
子供の頃からニューヨークでジャーナリストになりたいという夢を持っていた高橋さん。その夢を叶えるきっかけは意外なものでした。
「幼少の頃からこの玉野市で生まれて、ニューヨークは世界の中心と言われていたので、いつか行ってみたいっていうのをずっと思っていた。ちょうど27歳ぐらいの時2000年に変わると話題になっていた。その時に私は大阪である専門学校の講師をやっていたが、2000年代に変わっても世紀が変わっても同じことをやっているのかな。その時、自分に納得してない仕事を生活のためにずっと続けているのかと思ったら、正直その時は死ぬことよりも怖いと思った」
・・・まずは行こう、と決意して渡米を。英語は?
「英語は全く。もう苦労しかない。アルファベットならギリギリ全部書けるというレベル。小文字になったらちょっと怪しいくらいの、全くしゃべれなかった。ABCしか書けない状態で、結果、ドナルド・トランプにもトム・クルーズにもインタビューした」
だから多分英語力ではないんだと、ハートなんだと思う。極端には四半世紀経つが、いまだにそんなペラペラじゃない」
■人生の転機
Q:同時多発テロ「9.11」のときの写真
「渡米してすぐにちょうどこのビルのすぐ横のブロックに住んでいた。当然ここから世界は変わったと思う。ニューヨークに渡米して半年ぐらい経って、とにかく楽しすぎてニューヨークという街が。もう当初の夢を忘れて遊びまくっていた。水が合いすぎて楽しすぎて。だから当初の夢なんて、もうこのままどうでもいいから、このまま仲間たち友達と、アンダーって言う、アメリカでビザを持たずにずっと暮らす、そんな感じになるのかなと思った矢先にこのビルが倒壊し本当に住んでいる隣のアパートの横だった」
「ワールドトレードセンターは1973年のビルで僕と同い年のビル。当たり前のように毎週水曜日、屋上のクラブに行っていたが、それがなくなるっていうのが目の前に今まであった2本のビルがなくなっているっていうのを見た時に、当たり前のことなんてこの世にないんだな、そのインパクトはすごかった。世界的な史実と個人史を一緒にするのは恐縮だが、この時から当社の渡米の理由を思い出して、その次の日に(ジャーナリストになろうと会社に)履歴書を送った」
■人柄に迫る
「ここからは、高橋さんの人柄に迫っていきたいと思います」
Q:転生したら次何する?
「真面目な話、日本人として生まれてニューヨークで記者をやりたいかもしれない。もう一度。それぐらい今の仕事が多分第一希望の仕事だと思うし、これより面白い仕事はないと思っている」
Q:夢を実現させるために大切なことは?
「自分の人生は自分で実はデザインできるんだよということを体感させることが一番重要ではと思う。ニューヨークから俯瞰してこの国を見たときいつも感じるのは、わかった、わかった、もうわかったと言うこと。どういうことかと言うと、この国はとても素敵な言葉であふれていると思う。なんて言うか「大丈夫」「失敗なんてこの世にない」「ありのままの」「ナンバーワンよりオンリーワン」みたいな「今のあなたのままでいい」みたいな感覚が、もちろんこれはとても素晴らしい言葉なんですけど、で、じゃあ次はどうする、何をするっていう、どう行動するか、というところが一番欠けているんじゃないかって。大事なことは頭では分かっているけど、実際体験をしてないから頭でっかちになっていくんじゃないかなって。自分の人生をクリエイトするのは自分だし、それは行動によって失敗しながら作っていくと伝えたい」
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。