これからの時期に需要が高まる“卵”。
しかし鳥インフルエンザ急増で、その卵がピンチになっている。
1キロ当たり平均卸売価格は1月より100円も上昇
溶きほぐした新鮮な卵に秘伝のダシを加え、じっくり丁寧に焼き上げ出来上がったのは、店自慢の玉子焼き。
この記事の画像(9枚)21日午前10時半、東京・築地に店を構えて100年の「つきぢ松露」には、雨が降る肌寒い中でも多くのお客さんが訪れていた。
店では正月などに向け、12月は通常よりも2~3倍もの量を使うというが、店の会長はこう話す。
つきぢ松露・齋藤元志郎会長:
必ず12月になってくると(価格が)上がってくる。鳥インフルかなんかになると、養鶏場としても色々大変でしょう。
様々な料理に欠かせない“卵”の価格高騰の原因となるのが、過去最悪のペースで猛威を振るう“鳥インフルエンザ”だ。
2024年の発生ペースは「エッグショック」と言われ、卵不足を引き起こした2022年に匹敵するペースとなっている。
今シーズンの鳥インフルエンザは、2022年10月28日の岡山県よりも10日以上早く、10月17日に北海道で1例目が確認されている。
卵不足による“エッグショック”の再来が懸念される中、農林水産省は都道府県の生産者団体などに、衛生管理の徹底を呼びかける緊急会議を初めて開催した。
一方、卵の平均卸売価格は2024年1月には1キロ当たり180円だったが、11月21日の時点で280円と100円も上昇している。
取材した店でも原材料費の高騰などを受け、先週月曜日から商品の値上げに踏み切った。
つきぢ松露・齋藤元志郎会長:
価格は上げさせてもらわないと我々としてもやっていけないから。昔のようなわけには今は商売は中々うまくいかないです。
寒い日に食べたくなる、すき焼き。
創業144年、変わらない醤油ベースの割下に、相性抜群の極上黒毛和牛を提供する東京・港区の「すき焼 今朝」でも、もちろん“卵”も欠かすことは出来ない。
すき焼き 今朝・藤森 朗さん:
夏は比較的安くはなったんですけど、また上がってきているという状況です。かなり響きます。
原材料費の高騰なども響き、店では追加の卵を150円から300円に値上げした。さらに流行の兆しがある“インフルエンザ”だが、予防接種に使われるワクチンについて専門家はこう説明する。
医療ガバナンス研究所・上 昌広理事長:
ニワトリの卵の中で培養するんですよ。インフルエンザのワクチン。普通の食用ルートとは全く別に厳密に作られています。
食用とは別のため、現時点で影響はないというが、2024年の価格上昇は2025年度のワクチンの価格に影響が出る可能性があるという。
(「イット!」 11月21日放送)
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