11月から罰則が強化された自転車の違反に関する法律。

20日、大阪では、酒気帯びと知って知人に自転車を貸した男が書類送検されました。

厳罰化で意識は変わったのか?取材しました。


■交差点22カ所、警察およそ100人態勢で自転車の交通取締まり 警告は2時間で1100件

【大阪府警】「大阪府警察は、自転車の交通取締まりを強化しています」

【警察官】「自転車止まって!ストップ」

大阪市内の交差点22カ所、警察およそ100人態勢で行われた、自転車の交通違反の取り締まり。

【警察官】「危ないで」

二人乗りを追う警察官、後ろに乗っていた女性は逃げてしまいましたが、男性は「警告」を受けました。

自転車が関係する事故は、2年連続で増加していて、大阪府は去年、自転車事故の死者の数が全国ワーストに。

こうした中、11月1日から道路交通法が改正され、自転車での「酒気帯び運転」や、スマートフォンを見たり通話しながらの「ながら運転」などの罰則が強化されました。

【“ながら運転”で警告を受けた人】「時間見てん」
【警察官】「時間も乗りながらはあかん」

特に多かったのが、「イヤホン」をつけながらの運転。

【警告を受けた外国人】「イギリスでは大丈夫です音楽。大きいヘッドセットしてもいい」

【“イヤホン”で警告を受けた人】「配達してたらアプリで通知が入るから、(イヤホン)付けて止められたら困る」

【大阪府警察本部 交通部 畑英行警視】「自転車なら、交通違反が許されると思っている方が一定数いる。意識を変えていただくことが、交通違反をなくしていくために必要」

およそ2時間の取り締まりで「ながら運転」をして、警告を無視した30代の男性が検挙され、信号無視などを含めた警告は、なんと1100件でした。

■自転車との事故で通院の女性「ただの怒りではない、賠償金で償ってほしい」

自転車による違反は、時に大きな事故につながることもあります。

2022年に起きた事故の映像では、女性が青信号を確認して、横断歩道を渡ろうとした瞬間。突然、横から自転車が。

女性は衝撃で、その場に倒れこみましたが、自転車はそのまま走り去りました。

事故にあった女性が当時の様子を語ってくれました。

【Aさん(50代)】「1分ちょっと意識がない。自分が倒れたことも分からなくて。自分が事故に遭うなんて、全然、考えなかった。横断歩道は青でしたし」

女性は全身打撲のけがをして、現在も後遺症の影響で、“自費”で病院に通っています。

事故から2年以上たった今も、犯人は逃げたままです。

【Aさん(50代)】「怒り…なんて言ったらいいんでしょうかね。おかしい感情ですよね。ただの怒りっていう感じではない。償いに関しては、時間はもう償えないですし、体も元には戻らない。それをどうやって償うかっていったら、賠償金でしかないと思います」

自転車で事故を起こした場合、逮捕されるだけでなく、多額の賠償金を請求されることもあります。

■自転車の酒気帯び運転で逮捕 自転車を貸し後ろに乗っていた男も書類送検

自転車運転の厳罰化は、飲酒運転にも広がっています。

11月4日には、大阪府豊中市で、酒を飲んで自転車を運転した疑いで、29歳の男が逮捕されました。

さらにこの事件をめぐっては…。

【記者リポート】「一緒に酒を飲んだ帰りに、この路上付近で自転車の2人乗りをしていたということです」

20日、書類送検されたのは30歳の男。

逮捕された男と酒を飲み、「酒気帯び運転」になると分かっていながら、自転車を貸し、自分も後ろに乗っていたのです。

飲酒運転するだけでなく、酒を飲んだと知っていて自転車を貸すことなども違反になります。

■強化された罰則 酒気帯び運転は3年以下の懲役または50万円以下の罰金

自転車への罰則については11月から、「酒気帯び運転」に対する罰則が新たに設けられ、3年以下の懲役、または50万円以下の罰金が科せられることになりました。

運転者だけではなく、酒を飲んだ状態で乗ることを知りながら自転車を貸したり、2人乗りや酒類の提供も罰則の対象となっています。

さらに、スマートフォンを見ながら運転する、いわゆる“ながらスマホ”に対する罰則も強化されました。
運転中に通話、画面を注視した場合、6カ月以下の懲役、または10万円以下の罰金。

さらに、交通事故など危険を生じさせた場合には、1年以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。

罰則が強化されていますが、自転車は車両であるとしっかりと認識することが大切です。

番組コメンテーターでエッセイストの犬山紙子さんはこのように話します。

【エッセイスト 犬山紙子さん】「なんとなく自転車だと『ま、いいか』という気持ちがこれまであったような気がします。みんなでお酒を飲もうかというときに、『車の人いない?』とは聞くけど、『自転車の人いない?』とは聞いてこなかったなと思います。そこまで含めて、私たちが認識して周知させていくことが必要なんだと思いました」

(関西テレビ「newsランナー」2024年11月21日放送)

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