大分県大分市にインターネット通販大手アマゾンの配送拠点が整備されました。
こうしたインターネット通販の利用の増加とともに商品を各家庭へ届ける宅配の事業も拡大しています。
全国での宅配便の取り扱いの数を示したグラフを見てみると、コロナ禍の2020年度に大幅に増え、その後も増加傾向が続いています。
◆AEトランスポート野田慎太郎社長
「当然我々の業界は荷物が増えれば比例して、ドライバーも増やさなければいけない。イコール利益が増えるビジネス構図があるので」「業績でいうと売り上げはどんどん上がっている」
こう話すのは宅配事業を行う大分市の「AEトランスポート」の野田慎太郎社長です。取り扱いが増え業績が上がっている一方、困った問題もあるといいます。
◆AEトランスポート野田慎太郎社長 「消費者の数が増えれば増えるほど比例してクレームも増える。そして、再配達・不在の問題は社会問題にもなっている」
問題の1つが「客からのクレーム」です。中には社会問題にもなっている「カスタマーハラスメント」とも受け取れるようなことも…
例えば、配達が「時間帯」の指定であるにも関わらず、「14時半に荷物を持ってこい」などと特定の時間を強く要求してくるケースが実際にあったといいます。また、炎天下の中、配達員が1時間以上立たされ、理不尽なクレームを言われ続けたことも…対策として、AEトランスポートではクレームの情報を配達員の間で共有してトラブル回避に繋げているほか、度が過ぎる場合には警察に相談することも検討しているということです。
また、もう一つの問題、「再配達」については―
◆AEトランスポート野田慎太郎社長
「出来高でやっているドライバーも多いので、そのドライバーからすると、不在だと結局何もお金が発生しない。手間がかかるガソリン代も払わなくてはいけない」
不在が続くこともあるそうで、配達員からも切実な声が聞かれました。
◆配達員
Q不在が続くとどうか?
「心が折れそうになる」「イメージしていたルートで配って回っているが、ずれが生じてしまうので、どうしても帰りが遅くなってしまう」
再配達を減らすために、「置き配」サービスも積極的に利用してほしいということです。
便利さの裏で苦労も増えた宅配業界。
インターネット通販などのサービスを手軽に使う一方で、客側のモラルも問われています。
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