おととしの豪雨で被災した米坂線の復旧を検討する会議が11月19日、5カ月ぶりに開かれました。ここでJR東日本が示したのが、施設の管理などを自治体側に任せた場合、地域の負担が年間で最大17億円になるという試算です。
【記者リポート】
「関川村です。米坂線の運休している区間にあたる場所ですが、線路の中はレールが見えないほど草が生い茂り、被災してからの時間の長さを物語っています」
おととしの豪雨で被災し、一部の区間で運休が続くJR東日本の米坂線。
被災から2年以上が経つ中、復旧をめぐり、JRや沿線自治体は19日、4回目の会議を開きました。
【JR東日本 新潟支社 羽中田淳 企画総務部長】
「被災前と同じような形で鉄道を運営することは非常に難しいものと考えている」
利用状況の試算などから、復旧後の米坂線を単体で運営することは難しいとしてきたJR東日本。
復旧後の運営パターンとして、沿線自治体が土地や施設を保有する上下分離式やバスへ転換する案などをこれまでに提示しましたが、「JR単独での運営が望ましい」とする沿線自治体との間で議論は並行線をたどってきました。
こうした中、JR側はこの日、過去の運行経費や設備の維持費などを示した上で、4つの運営パターンについての実例を提示。
このうち、鉄道の施設などを自治体が保有する“上下分離式”では、維持管理などの運営にかかる地域の負担が全区間で年間、最大17億円にのぼる試算を明らかにしました。
【県交通政策局 太田勇二 局長】
「年間、数億というのは自治体にとっては非常に大きい負担だなと考えている」
県の太田交通政策局長はこう話す一方で、JR単独の運営にこだわらず、山形県と共に鉄道路線としての復旧を模索していく考えを示しています。
【県交通政策局太田勇二局長】
「鉄道の復旧を第一として考えて検討していきたい」
ただ、JR側は費用面だけでなく、利用者の減少も指摘。想定される利用者数に対し、鉄道の持つ輸送能力は過大でバスが適正だと指摘しています。
【JR東日本 新潟支社 羽中田淳 企画総務部長】
「JRとしては、米坂線の鉄道の運営を前提とした復旧というのは大変難しいと考えている」
果たして地域の足はどうあるべきなのか…協議が続きます。
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