政令指定都市の市長会はきょう会合を開き、いわゆる「年収の壁」の見直しで住民税の税収が大幅に減り、行政サービスに深刻な影響を及ぼしかねないと懸念を示しました。
“年収の壁”をめぐって、国民民主党は現在、103万円の非課税枠を178万円への引き上げを求めています。これによって、地方の個人住民税は4兆円程度、国の所得税を原資とする地方交付税は1.3兆円程度減り、合わせて5.3兆円ほど減る見込みです。
横浜市や川崎市、神戸市などの政令指定都市からなる市長の会議がきょう開かれ、年収の壁の見直しは人手不足の解消や手取りの増加など意義があるとした一方で…。
千葉市 神谷俊一 市長
「個人住民税は教育や子育て支援など、住民に身近な行政サービスを提供するための貴重な財源であります。教育、子育ては基幹的な行政サービスでございまして、このまま何の手立てもないとすれば、サービスの提供に大きな支障が生じます」
岡山市 大森雅夫 市長
「税収が減になってきてくれば、今、カツカツでやってる財政運営がもう行き詰まって、動かなくなってしまう」
政令指定都市は住民税の配分割合が大きく、年収の壁を178万円まで引き上げると、8000億円程度の減収になる見込みです。具体的には、▼川崎市では税収の13%にあたる504億円の減収、▼神戸市では税収の11%にあたる354億円の減収になると試算しています。
子どもの医療費の助成や保育料の軽減、ごみ処理、学校や公園、緑地の維持管理といった多くの住民サービスに支障が出るとし、“年収の壁”引き上げの議論は代替となる財源の議論もセットで行うべきだと強調しました。
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