原材料高などを背景にした「値上げの波」が続くなか、電気料金は政府の補助金が終了し、今月使用分から大きく値上がりします。新たな節約術を取材しました。
■今月使用分から政府の補助金が終了
11月も値上げが止まりません。民間の調査会社・帝国データバンクによりますと、食品メーカー195社を調べたところ、11月に値上げが予定されている食品は282品目にも及ぶとみられるというのです。値上げ率の平均は16%になるといいます。
カカオ豆の価格高騰によりチョコレートや、大豆の高騰でしょうゆが、米不足からの価格高騰でパックご飯も値上げになるといいます。
さらに、すでに判明している来年の値上げ予定は1000品目を超えているというのです。去年の同じ時期を大幅に上回るペースで推移しているといいます。小麦粉の値上げが予定されていて、パンや菓子などに広く影響が及ぶ可能性があります。
さらにさらに、電気・ガス料金も全国的に値上がりします。大手電力会社10社が発表した11月使用分の電気料金は、全国的に500円から600円ほど値上がりします。
家庭での平均的な使用料金は、例えば東京電力で1カ月あたり608円上がり8868円となります。都市ガスも同様に、東京ガスで前の月から274円上がり5948円となるなど、大手4社ともに値上がりします。
なぜ、これほど値上がりするのでしょうか。政府が8月から10月の使用分について行ってきた、冷房費のための「酷暑乗り切り緊急支援」が終了するためなんです。
■電気料金値上がり 節約術は
秋が深まる11月。どんどんと寒くなり、ストーブやコタツなど、今度は暖房が必要になってきます。
そんななか、日々の電気代を減らせるシステムが新たに開発されたといいます。ポータブル蓄電池を使い、電力会社の時間帯によって料金が変わる「市場連動型」プランと太陽光などの再生可能エネルギーとを連携させるといいます。
ループ エネルギーイノベーション課 野村勇登課長
「実は再生可能エネルギーが余っている時間帯が日本にあって、その時間帯の電気代は価格が安い状態」
太陽光発電所などを手掛ける電力会社の「ループ」によりますと、一日のうち昼間などは電気の価格が安く、日が落ちた夜は電気価格が高くなります。
この蓄電池は電気価格が安い時間帯に電気を蓄え、電気価格が高い時間帯にその電気が使用されるというものです。
ループ エネルギーイノベーション課 野村勇登課長
「今回は好きな家電をつなぐ。冷蔵庫、洗濯機、エアコン、そういったものをポータブル電源につないでいくことによって、その電力の安い時間帯でためた電気を使うというようなサービス」
これにより、日常的に電気代を削減できるというのです。また、ポータブルのため工事などが必要ないといいます。
ヤネカラ 吉岡大地COO
「ここで緑のグラフが見えているが、これは一番電気が安い時間帯を示しています。今、家で私はこの電池に冷蔵庫をつないでいる。冷蔵庫に対して、このクリーンな電気がおよそ130W/h供給されているという状況」
災害で停電しても、スマホの充電だけでなくポットや炊飯器などの小型家電の使用が可能だといいます。
ループ エネルギーイノベーション課 野村勇登課長
「(Q.およそ500から600円の電気代の値上がりを補える?)電力の市場価格次第になるが、500から600円の負荷を一部下げることはできるかなと思っている」
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