NITE=製品評価技術基盤機構は、本格的な冬を前に、暖房器具による火災を防ぐための新しい灯油の使用など注意を呼びかけた。
NITEによると、2019年から2023年までの5年間で、主な暖房器具の事故は582件にのぼり、そのうち石油暖房器具や電気暖房器具の事故は8割を占める。
月別では、暖房器具を使い始める11月から事故の件数が急激に増加し、ピークである12月を過ぎても、4月まで一定の割合で事故が発生している。
火災のほか、命を落とす重大な事故は毎年発生していて、過去5年間では石油暖房器具と電気暖房器具をあわせた死亡事故は64件(死亡者は72人)、火災に至った事故は458件と、被害の状況は深刻だ。
事故の事例としては、2023年12月、石油ストーブを使用中、ストーブから灯油が漏れたことで出火し2人が死亡する事故が発生。原因の特定には至らなかったものの、給油口のふたの閉め忘れ、または締め付けが弱かったことから、漏れた灯油に引火したとみられる。
2022年2月には、電気ファンヒーターを使用中、膝にかけていたはんてんがずれ落ちて、ヒーターに接触したことなどから、周辺が焼けたほか、1人がやけどを負う事故が起きた。
NITEは、石油ストーブでの火災を防ぐためのチェックポイントとして、以下の5つを挙げている。
(1)ほこりを取り除く
(2)対震自動消火装置が動作するかを確認する
(3)燃料は新しい灯油を使う。前シーズンから持ち越した灯油は異常燃焼の恐れがある。ガソリンを誤って給油しないよう灯油とは別の場所で保管する
(4)カートリッジタンクの給油口が確実に閉まっていることを確認する
(5)周囲の物や壁から十分に離れた距離で使用する
電気ストーブを使用する場合の5つのチェックポイントは、以下の通り。
(1)リコール製品かどうか確認する
(2)電源コードやプラグが変形・破損していないか、コンセントがたこ足配線になっていないかを確認する
(3)周囲の物や壁から十分に離れた距離で使用する
(4)電気ストーブに変形や変色などの異常がないかを確認する
(5)転倒時に電源がオフになる機能が正常に作動するかを確認する
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