里子と言う名は母の実家・宮古島で生まれた私に、祖父が「ふる里を思い出してくれるように」と付けました。幼少期は埼玉で育ち、沖縄への帰省は少なかったものの、折に触れて祖父母のことを思い出します。

 大学卒業の春、宮古島へ帰省しました。久々に訪れた島で、祖母はさとうきびの収穫をしていました。

 働きもので、自分のためにお金を使わなかった祖母。家には近所の人や親戚が頻繁に出入りし、台所横の小さな茶の間でゆんたくするのが日常でした。

 在学中にやりたいことが見つけられなかった私は、少し興味のあった美容業界とマーケティング業界に照準を絞りました。ところが、決め打ちして応募したため就職活動は難航。唯一内定を得た会社に就職を決めましたが、晴れやかな気分ではありませんでした。

 自分の選択が正しかったのか悩む私に、祖母は「何でも自分で決めて、自分で責任を取ればいい」と穏やかに言いました。

 宮古から帰る日に祖母が手渡したのは、くしゃくしゃのお札が入った封筒でした。祖母が汗を流し、さとうきびを収穫して得たお金です。感謝の一方、申し訳なさも芽生えました。いつの日か経験を積み、祖母が住む沖縄に恩返しをしたい。このとき、心に小さな灯火が生まれました。

 2023年11月、ジャパンエンターテイメントが「JUNGLIA(ジャングリア)」の構想を発表しました。やんばるの自然の魅力あふれる、これまでにない興奮とぜいたくのテーマパークです。

 「沖縄から日本の“未来”をつくる」という大義が目に飛び込みました。広報のキャリアを十分に積んだ今なら、沖縄へ貢献できるのではないか-。求人を見たその日に、迷わず応募しました。

 この会社には大義に賛同し、実現を本気で目指す人が集まっています。同じ志の仲間とともに、沖縄の魅力をお客さまへの価値に変え、産業を支えたい。祖母への思いを胸に、開業までの日々を過ごしています。

 (ジャパンエンターテイメント広報)

次回は宮城康智氏(エネルギーラボ沖縄代表)です。

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