タコの価格がなんとマグロ超えする事態になっています。どうなる、たこ焼きのタコ。

■タコの人気 世界中で?

 庶民の味として老若男女に親しまれているたこ焼き。大阪府が発祥と言われる日本のたこ焼きは、いまやワールドワイド。世界中から“引っ張りだこ”の人気です。

 スペイン出身の2人が熱々のたこ焼きをぱくり。すると…。

スペインから来た人(日本在住)
「(Q.ホット?)ホット」

 口の中でハフハフしながら舌鼓。

 観光で来日した男性は明太子とトロトロのチーズが合わさったタコ焼きを注文。

スペインから来た人
「おいしいね」
「たこ焼きを食べてみたかったんです。スペインにもタコを使った食べ物があるので。たこ焼きは3段階あって、最初はよく焼かれた表面。そしてたこ焼きの内側の柔らかさ、そしてタコの味わい。完璧」

 東京の「お台場たこ焼きミュージアム」に、たこ焼きの本場である大阪府の名店が集結しています。

 インバウンド需要が高まるなかで今、肝心のタコの価格が高騰しています。

■タコの価格がマグロを超え その訳は

 都内の鮮魚店を訪ねると、台湾産メバチマグロの中トロが100グラムあたり600円で売られています。

 一方、三陸産のマダコはボイルした足1本の価格が1146円。100グラムあたり699円です。

 マグロよりもタコの方が100円ほど高くなっています。

買い物客(40代)
「たこ焼きパーティー時々してて、最近は(タコが)高いから手が出ない」

 総務省の調査によりますと、東京都区部のタコの小売価格はこの10年、高騰が続き、今は100グラム507円。マグロは499円で統計以来、初めてタコの価格がマグロを超えました。

魚河岸 中與商店 山崎進一チーフ
「急激に上がりだしたのは2、3年前。今までタコを食べなかった欧米の人々を含め、世界中のタコの需要が高まったことで一大産地であるアフリカでの漁が乱獲気味になっている。取り過ぎて資源の枯渇。あと一つは円安。2、3カ月前に国内産の価格を輸入品が上回ってしまったので、それ以来、輸入品の取り扱いをやめた。国内産一本」

 海外産のタコが特に高騰しているといいます。

 日本に輸入されるタコは西アフリカ産がメインで、モーリタニア産とモロッコ産で半数以上を占めています。

■たこ焼きピンチ 秘策は?

 モーリタニア産のタコを使うたこ焼き店では、タコ以外の具材も活用して乗り切っています。

 タコの代わりに豚肉を入れた「豚トロたこ焼き」。さらに豚肉とアスパラ、チーズの組み合わせや「ホタテバター」などが味わえるセットも。

 世界的にタコが高騰するなか、ゆでダコなどを大手スーパーに卸している加工会社は新たな産地の開拓に力を入れています。

あ印 営業部 来栖圭一部長
「こちらがモーリタニアやモロッコ、日本で取れるマダコ。こちらがインドネシアで取れたワモンダコ」

 インドネシア産のワモンダコの魅力は安さ。アフリカ産や国産のマダコに比べて半額近くで仕入れることができるといいます。

あ印 営業部 来栖圭一部長
「インドネシア産のタコは足がマダコよりも長くて、身は皮がしっかりしていて歯切れのよい食感。価格が上昇しているなかで比較的、価格が安いワモンダコを何とか確保できないかと産地を開拓して進めて今にいたる」

 今後、加工品の原料として増やしていく方針です。

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