日常の移動手段として車の運転を続けたい高齢者をサポートしようと、自分の体の状態や安全運転について学ぶイベントが静岡市駿河区で開かれました。
高齢者も日常生活に必要な車
歩行者2人をはねて駐車場のフェンスをなぎ倒した乗用車。
運転していたのは当時84歳の男性でした。
また、乗用車と衝突し横転した軽自動車。軽自動車を運転していたのは当時70歳の男性でした。
高齢ドライバーによる痛ましい事故が社会問題となる中、県内でも高齢ドライバーによる事故が2022年1年間に4330件起きていて、死亡した人は30人にのぼります。
自主的な免許返納の動きもあるものの免許を持つ高齢者は増加傾向にあり、県内では日常生活に車が必要な人も多いのが実情です。
参加者:
免許返納も考えたが、主人や家族がもし不自由になって車が運転できないとなると私が通院や買い物に行かないといけないので、免許返納は(まだ)早いかなと
高齢ドライバーを支援するイベント
こうした高齢ドライバーを支援しようと、県自動車学校は警察やカーディーラーなどと連携して2023年からイベントを開催しています。
会場では運転を続けるための選択肢の1つとなる自動ブレーキなどを搭載したサポカーが展示されたほか、今の自分の身体能力を測定できるコーナーも設けられました。
鈴木櫻子 記者:
このように光った場所にすぐに反応できるか、反射神経を試すテストも用意されています
運転にあたっては自分の体力の衰えを自覚することが大事だということで、参加者たちは動体視力や歩行能力のテストに真剣に取り組んでいました。
参加者(74歳):
時々休んで運転がいいと言われた。その通り。(運転は)毎日するが、なるべく近くで昼間しか運転しないとか、自分で抑制することが大事
鈴木櫻子 記者:
こちら足の力がどれだけあるかを測るテストです。このように片足を上げて立ち上がることが出来れば…私の20代、年相応ということになります
足の筋力を測るテストでは思うように体が動かずショックを受けた参加者も…。
参加者(76歳):
難しかった。もともと体育会系なので自信があったが、出来るかなと思ったが残念
客観的に振り返りの機会を
70歳以上は免許更新の手続きの際に高齢者講習、75歳以上はさらに認知機能検査を受けなければなりません。
そして、その後も身体能力の変化を定期的に観察する必要があります。
県自動車学校・森下慎 営業課長:
75歳くらいを境に個人差が非常に出てくる印象。自分のことは自分でなかなかわからないので、客観的に人や会社など色々な場面で振り返りの機会を作れるといい
悲惨な事故を起こさないためにも、自分の運転スキルと向き合い安全運転を徹底することが大切です。
こちらは75歳以上のドライバーが免許更新の時に受ける認知機能検査の1つです。
こうした4枚1組のイラストについて、それぞれ1分ずつ説明があり、どんなイラストがあったか記憶する問題です。
別の問題を受けた後、時間を空けてどんなイラストがあったのか書き出します。
このテストで「認知症の恐れがある」と判定された場合は専門医の診断を受け、結果によっては免許の取り消しなどが行われます。
県内で高齢ドライバーの事故は減少傾向にありますが、ドライバーは自分の運転能力を自覚しておくことが大切かもしれません。
安全運転を心がけることはもちろん、運動機能の低下などを自分で把握しておくことが求められそうです。
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