私たちの食を支える市場。
高齢化や人手不足の課題を解決しようと、いま、デジタル化が進みはじめています。
その現場を取材しました。

早朝の広島市中央卸売市場…。
この場内でいま新たな”時代の波”が…!

【広島魚市場 冷塩食品部・濱本愛子さん(24・入社2年目)】
「入社前に会社を見学したときから思っていたが、結構アナログだなと思っていた。(1か月前に導入されてから)ストレスが減りました」

それがこのアプリです。
冷凍の魚介類や加工品の流通では、まず「加工会社」や「商社」が扱う国内や海外の商品を市場で卸売りを行う「大卸」が仕入れます。そして、「仲卸」が商品を買ってそれを小売りの「魚屋」や「スーパー」などに卸すことで我々の食卓に届きます。
「大卸」と「仲卸」は発注などの作業を電話やFAXでなどで行ってきましたが、今回のアプリで”アナログ”なやりとりが効率化されました。

【広島魚市場 冷塩食品部・濱本愛子さん(24・入社2年目)】
「(自分は)2時出社だったが(仲卸のための出庫作業が)2時じゃ間に合わないときもあったりして結構寝ている間に(連絡が)ピコンピコン入ってきて出社の準備をしながらも電話がかかってきて…」

それがアプリの導入で仲卸からの電話を受けたり、保管している冷蔵庫への出庫の指示を出す電話も必要なくなり出社時間も2時から「5時」に変わったことで、仕事の効率やプライベート面で充実しているといいます。

【広島魚市場 冷塩食品部・濱本愛子さん(24・入社2年目)】
「(午前2時出社の時は)午後6時に寝るとなると、普通の時間に出社している友達とは退勤後は遊べなかったが、会えるようになった」

開発したのはこれまで、需給最適化を目指す「水産流通アプリ」で水産業のDX化を推進してきた「ウーオ」。

【ウーオ・板倉一智社長】
「全国的な課題として人手不足、若手が育たない、高齢化が進んでいく、この問題に関してはどこも同じ。東は宮城県、西は鹿児島まで幅広くご利用いただいている。シンプルに情報のやりとりだけだったら人を介さなくても機械がやればいい。(これまでの慣れで)確かに大変だけどやっていくしかないよねみたいな人たちが多いので、そこに対してパイオニア的な人がいて、絶対明らかに人がやることじゃないですよねということに気づけば、より早く導入は進んでいく」

広島魚市場と取引している仲卸の「広洋水産」。

【広洋水産・岡野利彦社長】
「(スマホ発注は)私は60歳過ぎているからどうかなと思ったが、意外とこれ簡単に使えて便利。担当者にいちいち連絡しなくても頼めるので、市場なんてスピードが命なので」

この道40年の社長は大卸が進めるDX化のメリットをこう感じています。

【広洋水産・岡野利彦社長】
「2ケースといったのが1ケースしか出していないという間違いもなくなって」
Q:それは稀にではなく頻繁にある?
「結構ありますよ。結構ありますよ。割と。向こうの聞き間違い、言い間違いがなくなったのと荷物の出るスピードが早くなった」

2032年度までに全棟の建て替えを目指す市場。
デジタル化が進み若い世代を確保する起爆剤になるかも注目です。

《スタジオ》
【コメンテーター:叡啓大学・保井俊之教授】
「DXの本質は、仕事のやり方を変えてしまうということなので、デジタルを使って働き方改革をすることは若い方人にも年輩の人にもメリットがあること」

【コメンテーター:元カープ・山内泰幸さん】
「出社時間が3時間違うのは非常に大きいと思います。それによってプライベートが充実して、さらに仕事も前向きにできる。いいことだらけじゃないでしょうか」

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