糖質ゼロのビールは飲みごたえがない。
そんな思い込みを鮮やかに打ち消すおいしさの追求に迫りました。
醸造家の飽くなき探究心とチャレンジ精神。
その熱は会社全体に浸透し、多くの消費者にも届き始めています。
様々なシーンで広がりを見せる、ある固定観念を打破し、進化を続けるビールとは。
キリン本社で行われているスタッフ同士の試飲会。
新商品の開発かと思いきや、実は業界で初めてビールで糖質ゼロを実現させた「一番搾り 糖質ゼロ」のリニューアルに伴う試飲会。
テーマに掲げているのは、“糖質ゼロは普通のビールよりおいしくない”という固定観念の打破。
キリンビール商品開発研究所 中味開発グループ・宮下英理子さん:
麦芽も増えているし、ホップも増えているし、色も上げているし、アルコール度数も上げている。全部乗せ込んだ感じ。
今まで積み上げてきたビール醸造のノウハウを活用し、麦の強み、温度配合などを細かく調整した試作品を数多く用意。
試験醸造や試飲会を何度も積み重ね、味のブラッシュアップを行っていきます。
キリンビール マーケティング本部・嶺岸秀匡さん:
今までは糖質ゼロだと味が薄くなりおいしくないとか、体を気にしている方が中心に飲まれているもの。一種の固定観念、先入観があった。実際に飲んでもらうとすごくおいしくなったと。普通のビールと遜色ないくらい。
2024年4月のリニューアルでは3つの製法を変更し、コクや飲みごたえ、飲みやすさを向上。
背景には、健康志向の高まりを受けて、家飲みだけではなく飲食店やビアガーデンなど、様々なシーンで広がりを見せていることがあります。
実際に東京都内の飲食店をのぞいてみると。
女性客は「太りたくない。普通のビールとあんまり(味も)変わらない。ビールが好きだけど、飲みすぎると太ってしまうのでゼロの方を飲もうと。ペアのメニューもやっているので」と話しました。
全国に170店舗以上展開する回転ずしチェーンの魚べいでは、2年ほど前から糖質ゼロビールを導入。
インバウンド需要や外食頻度が高まる中、多様化する消費者のニーズに応えていきたい考えです。
魚ぺい大山店 統括店長・高橋航洋さん:
女性は糖質ゼロを飲む方が多い。健康志向が高まる中、糖質ゼロというお客さまのニーズもありますし、1杯目にビールを飲んでから、2杯目は糖質ゼロという注文も多く頂いている。
幅広い年齢層に広がりを見せ、累計販売数量は6億本を突破。
体形を気にして妥協して飲むものではなく、おいしいビールで、心身ともに良い状態でありたいという新たなイメージの定着を目指していきます。
キリンビール商品開発研究所 中味開発グループ・宮下英理子さん:
一番苦労したのは、糖質ゼロだけど飲みごたえをアップするという矛盾したお題。試飲は何回も重ねている。「一番搾り 糖質ゼロビール」の味が好きだから選ぶという人が増えてくれるとうれしい。
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