半世紀に渡り、愛媛県の観光地・道後を盛り上げてきた道後プリンスホテルの河内 広志会長(72)が一線を退きました。
EBCライブニュースでも、取材でたびたびお世話になった名物経営者の河内さん、最後まで細やかなサービス精神にあふれた「ホテルマン」でした。

道後プリンスホテル・河内 広志会長
「内緒よ。映えしたらいいなと思って、私が買ってきました」

この日、大きな花束を抱え県庁に現れた、道後プリンスホテルの河内 広志会長が、中村知事に直接退職の報告をしにやって来ました。

まずは、出迎えた中村知事とがっちり握手です。

河内会長:
「議会中お忙しいのに申し訳ありません」
中村知事:
「色々と長きに渡ってありがとうございました。花束を渡すように言われました。」

そう言って中村知事が渡したのは、先ほど河内会長が自ら持ってきた花束。

退職などの時に付きものの花束ですが、河内会長が知事から花束をもらうと「公職選挙法違反」になるかもしれないと気を利かせたそう!?
ホテルマンらしい、実に細やかな気遣いです。

河内会長:
「感無量です。やっぱり愛媛県とともに道後温泉は頑張って参りましたので」

中村知事からも温かいねぎらいの言葉が贈られました。

中村知事:
「社長自ら動いて、自らが接客をし、来てよかったと空気を作る経営者だったんですよね。そのアクション、行動力は桁外れでした」

アイデアマンの河内さん。
約半世紀に渡りホテルの経営者としてだけではなく、道後地区全体の活性化に貢献してきました。


【2021年4月1日放送】
正本健太キャスター:
「きょうの新聞の紙面なんですけど、ありました。エイプリルフール、嘘でしょ、5円で宿泊できる」

道後プリンスホテル 河内広志社長(当時):
「(例年は)春休みのシーズンは沸いて沸いて、必ず4月1日は満室でございましたので、今年はご案内の通り、大変暇でありますから。愛媛県民の皆様方に、昨年今年と多くご利用いただきましたので、そのお返しです」

特にコロナ禍で観光宿泊業が大打撃を受けた時期には、道後界隈を盛り上げようと様々なアイデアを発信し、テレビ愛媛でもたびたび取り上げさせてもらいました。


先月29日にホテルで行われた退職式。
ペンライトがきらめく中、妻の昭子さんとともに登場です。
勇退する河内さんを見送ろうと道後や取引先の関係者など約180人が集まりました。

河内会長:
「本当は辞めたくなかったんですけど、体力にも少しづつ限界を感じております。きょう妻が同席させていただいている理由は、そろそろ会社を辞めて『幸せになろうよ』ということで」

河内さんは、1975年に道後プリンスホテルに入社。1999年に社長に、2022年からは会長として経営にあたってきました。


テレビ愛媛の映像ライブラリーには今から25年前、しまなみ街道の開通を前に県内最大の観光地・道後が抱く思いを語る姿が残されていました。
【1999年4月5日放送】
道後温泉観光文化振興委員会 河内 広志委員長(当時):
「一言でいうと露骨なんですが、最大のビッグビジネスチャンス」


2001年からは道後温泉旅館協同組合の副理事長も務めています。

道後商店街振興組合 石田 匡暁理事長:
「常に新しいことをやろうっていうのと、面白いアイデアたくさん持っている方なんで、道後のエンターテインメントの中心にいらっしゃる、僕はあの背中をずっと追いかけていきたいなと思っています」

もちろん退職式も大盛り上がり。
バズーカのクラッカーを使ったり、入浴券などの景品が入った餅まきをしたりと、大盤振る舞いです。
妻の昭子さんは河内さんの名前にかけ、「そんなヒロシに騙されて」を熱唱。
最後は山口百恵の引退ライブになぞらえて、マイクではなくハッピを置く演出で参加者を楽しませました。

河内会長:
「旅もインパクト、イベントもインパクト、それから退職式もイベントだと思いましたので。『河内広志が50年間、道後に存在したな』ということを記憶にメッセージとして植え付けたいという強い思いから、激しいイベントとなりました」

ホテルマンとしては一線を退く河内さんですが、今後も道後温泉旅館協同組合の相談役などとして、道後のまちづくりを支えていきたいと話しています。

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