きょうから10月、食品や飲料の値上げがことし最大となるなど、「値上げの秋」となっていますが、実は他にも、1日から変わることがたくさんあります。
番組では影響を受ける人たちを取材しました。あなたの生活は、どう変わりそうですか?
■食品の値上げは4月より多い 2911品目
1日朝、大阪市内で開店前のスーパーをのぞいてみると…、値札を替えていました。
【店員】「10円ぐらい上がってるので、気づくお客さんも結構いると思いますけどね…」
1日から、こちらのスーパーでは、飲料の半数近くが10円から20円値上がりするとのこと。
【フレッシュマーケットアオイ・内田寿仁社長】「もう2回目、3回目、油は5回目、6回目の値上げになってますので、毎月、毎月、いろいろな商品(価格が)上がりますので、その作業に追われる」
10月の食品の値上げは2911品目で、ことしでは最大の数に。ペットボトル飲料やチョコレート菓子などが主な値上げの対象となりました。
そして、あのお菓子にも値上げの波が…。
【秦令欧奈キャスター】「変わらぬおいしさです、しかし、このうまい棒も値上げするんです」
円安などで原材料のコーンの価格が高騰し、希望小売価格で1本12円から15円に値上げ。1979年の発売以降、2回目の値上げとなりました。
また、「阪急バス」と「阪神バス」でも、大阪や兵庫の路線を対象に10円から20円の値上げが行われます。
【街の人】「3000円くらいかなと思ったら、『5000円の会計だった』ということが、よくありますね」
【街の人】「ベビー用品。おむつ、ミルクとか5年前と比べたら、200~300円上がってて、まとめて買うとき、差がすごいなって」
【街の人】「たまごかけご飯とか、普通に料理に使ったりしてて、『たまごの値段が上がってるから、使いすぎない(ように)』みたいなのは言われています」
■「郵便代」も大きく値上がり 通常はがきは35%アップ
【秦令欧奈キャスター】「見つけました。10月1日から郵便料金が変わりますとありますね、そう郵便代も値上がりするんです」
1日から、大きく値上がりした「郵便代」。
昨年度の郵便事業が「およそ900億円の赤字」となる中で、サービスを維持するために料金が改訂されました。
通常はがきは63円から85円とおよそ35%アップ。
また、「レターパックライト」は60円、「レターパックプラス」は80円値上がりしました。
旧料金のレターパックも使用できますが、差額分の切手を貼り付ける必要があるということです。
この値上げに、大きく影響を受ける業界も…。
大阪・北区にある「ブラウン不動産」。主に大阪府内の賃貸物件探しをサポートしています。
【秦令欧奈キャスター】「こちらでは、どのような影響が出るんでしょうか?」
【谷豪知良代表取締役】「レターパックなんですけど、僕ら不動産業なので、契約書関係の郵送のやりとりとかで使うことが多いのですが、繁忙期で(月に)120件~150件くらい送るので、結構上がっちゃいますね」
まだまだ書面でのやりとりが多いという不動産業。
さっそく郵便局で60円値上がりしたレターパックライト150通を購入しますが…。
【谷豪知良代表取締役】「いつもよりも1万円ぐらい上がったんで、これ考えるとやっぱり痛いですね」(Q.値上げ分のコスト削減はどうする?)「近くのエリアだったら、自転車でお客さまや管理会社に持っていったりしていかないと」
【従業員】「箕面は無理っすね」
【谷豪知良代表取締役】「箕面は無理やな」
【従業員】「土佐堀…」
【谷豪知良代表取締役】「行けるな…チャリやな」
“運動の秋”となりそうです。
■「児童手当に関してはラッキー」 所得制限が撤廃、支給対象の延長、第3子以降は月3万円に増額
一方で、街では1日からのある「変化」について、よろこびの声も…。
【街の人】「家で話題なって、助かるよね~って。児童手当に関してはラッキーって感じです」
1日から施行された改正児童手当法では、児童手当の所得制限が撤廃されるほか、支給対象が「高校生年代まで」に延長。
また、第3子以降は月3万円に増額されることになりました。
【街の人】「全員男、4人兄弟です。だいぶ変わりますね。塾代ぐらいはでるんじゃないですかね」
【街の人】「そのおかげで、きょう洗濯機買えた。つぶれるまで使おうって思わなあかんぐらい、お金は厳しかったんで…」
■「置き配」などへのポイント還元事業もスタート
さらに、宅配業界でも、「うれしい変化」が。
【宅配ドライバー万事屋うっちゃん 浦島佳太朗さん】「最近は増えてきましたね、置き配制度が始まってからです。写真を取ったら、お客さまにメールで届くことになっている」
10月から始まったのが、この「置き配」などへのポイント還元事業です。
アマゾンや楽天、さらに物流大手が参画したこの事業では、国が「置き配」やコンビニ受け取りなどについて、1配送あたり最大5円を補助し、消費者にポイント還元が行われます。
その背景にあるのは、運送業界の『2024年問題』です。
(Q. 時間指定でも家にいるとは限らない?)
【万事屋うっちゃん 浦島佳太朗さん】「そうですね、結構ありますね」
(Q.再配達になる?)
【万事屋うっちゃん 浦島佳太朗さん】「そうですね。不在票入れておいて」
国によると1年間で再配達される宅配便の数は、実におよそ5億個。ドライバーの時間外労働が制限される中で、大きな障壁となっています。
【万事屋うっちゃん 浦島佳太朗さん】「1個の荷物を配達完了っていう形で僕らの対価になる。(対価に)ならないので、(不在は)つらいですね」(Q.再配達は時間のロスに?)「そうですね。そこは無駄かなと思ってしまう」
ドライバーの働き方を改善するためにも、ポイント事業の広がりに期待が集まっています。
【万事屋うっちゃん 浦島佳太朗さん】「だいぶありがたいですね。極力(再配達が)ないほうが、楽にルートも組めますし、何回も同じ所に行かなくていいので」
いい変化も、悪い変化も。
あなたの生活は、どう変わりそうですか?
■「値上げは落ち着く」と大阪大学大学院・経済学研究科の安田教授
きょうから10月ですが、年内最大2911品目が値上げします。
この値上げについて、番組コメンテーターで大阪大学大学院・経済学研究科の安田教授は「値上げのペースは緩やかになっていて、徐々に落ち着く」と話します。
【大阪大学大学院 安田洋祐教授】「値上げが続いているので、今度は値下げを期待したくなりますが、残念ながら値上げの傾向は変わらない。
ただこれ1年間で見ると、2023年の1年と比べて、2024年はたくさん上がってるように見えるんですけれども、値上がり品目はだいたい4割程度と言われています。なので値上げのペースは徐々に緩やかになっています。
この表で見ても、10月はどーんと増えてますけど、11月、12月は非常に値上げ予測が少ないですよね。今後、値上げは徐々に落ち着いていくと考えられます」
このタイミングで物価高を上回る賃上げが広がるといいですね。
【大阪大学大学院 安田洋祐教授】「いま実質賃金が確かにプラスになり始めているので、そういった意味では10月ちょっと正念場ですけど、ここを乗り越えて、この後も賃金が物価以上に上がり続ければ、少し皆さん落ち着いてくるのではないかと思います」
■新型コロナワクチンの定期摂取スタート
さらに値上がりだけでなく、新型コロナワクチンの接種も変わります。
10月1日から定期接種がスタートしますが、対象は65歳以上、または基礎疾患がある60歳から64歳までの方となります。
費用は、一部自己負担となります。(自治体によって異なる)
例えば、大阪市の場合の実施期間は10月1日から来年1月31日まで、接種費用は3000円となります。
ほかの自治体も見てみましたが、大体2000円から4000円でした。対象外の人というのは任意接種になり、全額自己負担で1万5000円程度かかると見られます。(自治体によって異なる)
大阪市の場合は摂取費用が3000円かかりますが、これについて神崎デスクは「ワクチン接種を避ける人が出るのでは」と懸念しています。
【関西テレビ 神崎博報道デスク】「ただことし3月までは無料で接種できていたものが、少し自治体が補助しても3000円かかるので、それをどうとらえるかで、例えば国民年金だけの高齢者であると、だいたい満額でも月額6万8000円なので、そこから家賃や光熱費を払うと、3000円が結構大きな負担になって、『3000円払うんだったら、やめとこうか』という人がいたら、接種によって重症化が避けられてたということがあるので、もしかしたら重症化する高齢者が増えないよう、祈りたいなと思います」
医療現場のひっ迫につながらなければいいですよね。
(関西テレビ「newsランナー」2024年10月1日)
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