(ブルームバーグ):フランスのバルニエ首相は150億-180億ユーロ(約2兆4100億-2兆8900億円)規模の増税案を発表する計画だ。仏紙パリジャンが報じた。

同紙が情報源を明示せずに伝えたところでは、バルニエ首相はまた、欧州連合(EU)の財政規律ルールである財政赤字の国内総生産(GDP)比3%未満の達成時期を2年後ずれさせ、2029年とする方針だ。

フランス財務省はコメントを控えた。

フランスのバルニエ首相

バルニエ氏は1日、首相として初めて議会演説に臨む。議会内の深刻な対立を乗り越えながら、どのように財政再建を進めるかを説明する重要な機会となる。

同紙によると、バルニエ氏は高額所得者の特別課税を3倍に増額することで税収を30億ユーロ増やすほか、企業に80億ユーロ相当の特別税を課す計画。さらに電力最終消費税(TIFCE)を30億ユーロ引き上げ、エネルギー企業と自社株買いに30億ユーロを課税する。

パリジャン紙は演説前に詳細が変更され得るほか、一部の項目については政府が来年度予算案を提出する際に発表される可能性もあるとした。アルマン経済・財務相は来年度予算案は10月9日の週に提出され、財政緊縮の大半は歳出削減を通じて行われると述べている。

先週発足したフランスの新政権は今年の財政赤字のGDP比が6%を上回る可能性があると警告した。前政権は当初、同比率の見通しを4.4%としていたが、予想を下回る税収や地方自治体の支出増などにより繰り返し引き上げられてきた。

このため投資家の不安は膨らみ、フランス債のリスクを示す指標として用いられる独仏10年債のスプレッドは5月には50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)を下回っていたが、現在は80bp前後まで拡大している。

原題:French PM Plans Up to $20 Billion of Extra Taxes, Parisien Says(抜粋)

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2024 Bloomberg L.P.

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。