手紙やはがきの料金が1日から大幅に値上げされます。今後も郵便事業を維持していくためですが、そもそも今の郵便サービスはどうなっているのか。実際に、はがきを送って徹底調査しました。
■値上げの背景に…郵便物の減少と物流コストの上昇
10月1日から郵便料金が値上げ この記事の写真先月30日は休日明けということで、渋谷郵便局には多くの人が訪れていました。10月1日から郵便料金が値上げされ、見慣れた郵便はがきも20円以上の値上げです。
利用客「課題の提出を郵送物で出そうと思って。値上げする前に早めに出しておこうかと」 はがき&手紙 3割以上の値上げ
今月1日から、大幅に値上げされる郵便料金。はがきは63円が85円に、手紙は84円が110円へと、いずれも3割以上、上がります。
利用客「郵便を控えてメールにするとか。(利用を)控えるようになっていくと思う」 日本郵便は2年連続の赤字
値上げの背景にあるのは、デジタル化が進んだことによる郵便物の減少です。
そこに物流コストの上昇が追い打ちをかけ、日本郵便は2年連続の赤字となっています。
近年は、土曜日の普通郵便の配達をやめるなど、業務の効率化を図ってきましたが、値上げは避けられませんでした。
そうしたなか、専門家が指摘するのは、値上げ後のサービス低下の可能性です。
値上げ後のサービス低下の可能性 経済ジャーナリスト 磯山友幸氏「値上げをしたからといって、この郵便サービスが元に戻るとか、サービスがより良くなるということはなくて、郵便サービス自体が終わりの始まりみたいなことが起きてくる」
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■出したはがきは何日で届く? 意外な結果に■出したはがきは何日で届く? 意外な結果に
何日ではがきが届く?そもそも、今の郵便サービスはどうなっているのでしょうか?
番組は何日ではがきが届くのか、独自に検証しました。
送り先は北海道から沖縄までの7カ所三山賀子アナウンサーが東京・六本木のポストにはがきを投函したのは、先月17日の午前8時。送り先は、北海道から沖縄までの7カ所です。
こまめに郵便受けをチェックしてもらい、ラジオ局にはメッセージを番組で紹介してもらうことにしました。その結果…。
FMあばしり FMあばしり「時刻は午前11時30分を回りました。2024年9月19日、木曜日のブレイクタイム網走」
東京からの距離が1000キロ以上もある、北海道の網走ですが、なんと2日後の午前10時ごろには届いていました。
FMあばしり「結構はがき、すぐ届くんですね」
「そうですね。間は丸一日ということなんですね」
意外な結果は続きます。
福島県南相馬市にも2日後の午前中に到着 佐藤ちひろアナウンサーの母「午前11時40分、届いていました」
佐藤アナの実家がある福島県南相馬市にも2日後の午前中に到着。さらに、鹿児島の離島・奄美大島にも午前のうちに届いていました。
あまみエフエム あまみエフエム「もう、これ速達以上じゃないですか。はや!と思ってね。すごく早いなと思って、びっくりしたところでした。グッド!モーニングさん、はがき、ありがっさまりょーた(ありがとう)」
ところが、東京や埼玉には、この時点でまだ届いていません。そうこうしている間に、今度は沖縄の離島・久米島で…。
FMくめじま FMくめじま「実はマンデーさん、FMくめじま宛てにはがきが来ています。こちら読ませていただいていいですか?『はじめまして、テレビ朝日・新人アナウンサーの三山賀子です』」
「はじめまして。よしこ、ありがとう!!」
東京から1600キロ以上離れた久米島にも、午後1時には到着。そして、同じころ、ようやく埼玉県川越市にも…。
ラジオ川越 ラジオ川越「到着したのが、きょうのお昼すぎといっていたかな?」
「最近はいろいろ早いじゃないですか、お荷物届くのも」
「はやーい」
出演者の2人は「早く届いた」と話していましたが、実際は網走や奄美大島よりも遅かったとは知りません。
ちなみに、最も遅かったのは、投函したポストから一番近い、東京23区内にある三山アナの実家でした。
パーソナリティーのもんやようこさんこの結果を川越のラジオ局に伝えに行くと、出迎えてくれたのは、元郵便局員という異色の経歴を持つパーソナリティーのもんやようこさんです。
三山アナ「23区が一番遅かったんですね、配達されたのが」 もんやさん
「えぇ、そうだったんですか。あれあれあれ…。川越より最もテレ朝に近い?それも意外ですね。(かつては)都内から近県で、午前中に出せば次の日には到着予定で、ここのところ郵便局も働き方改革があるようですね」
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■八丈島は翌日に到着 都市部はなぜ時間かかる?■八丈島は翌日に到着 都市部はなぜ時間かかる?
唯一、翌日に届いていた八丈島しかし、実は今回の調査で唯一、翌日に届いていた場所がありました。
それが六本木から南におよそ280キロ、太平洋に浮かぶ八丈島です。
協力を依頼した八丈島観光協会には、投函翌日の午前11時ごろに到着。これには島の人も驚きです。
島民「(郵便物は)どこに関してでも、2〜3日後というイメージで送っています。でも、飛行機で1時間弱で着くので、離島『離れている島』と書きますが、意外に近いってことですよね」 離島への郵便物は旅客機も活用
羽田空港と八丈島を結ぶ直行便のドアの横には、郵便マークが描かれています。
離島への郵便物は、こうした旅客機も活用されているため、思っているより早く届く場合があるというのです。
一方、都市部については…。
磯山氏「最後、配達するところの人手が猛烈に足りないことになっている。ですから、首都圏・関東の近辺で、その配達をしようと思った時に予想以上に時間がかかっていた」 さらに配達時間が必要に?
値上げ後は、郵便の配達にさらなる時間がかかるようになる可能性もあるといいます。
磯山氏「値上げで利用する人が減るでしょうというところがあります。(郵便物の)数が減って、収支が悪くなり、それを維持しようと思えば、 配送回数を減らすか、ポストから集める回数を減らすなど。そうすると、さらに配達までの時間がかかることになっていく」
(「グッド!モーニング」2024年10月1日放送分より)
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