大手家具店「ニトリ」の店舗や工場の電力を、自社で賄う取り組みとは?
■2030年度までに、国内180の店舗や工場屋根に設置
一見、普通の店舗に見えるが… この記事の写真一見普通の店舗に見えるが、ここに秘密がある。
ニトリホールディングスSDGs推進室 奥田理室長
「こちらになります。のぼっていきますね」
「(Q.屋上なんですか)はい」 屋上に“ニトリ発電所” 設置されたソーラーパネルは650枚
店舗の屋上には…。
奥田室長「(Q.ソーラーパネルですか?)はい。通称“ニトリ発電所”と言います。今、下で営業している店舗の電気をこれで賄っているんですね」
なんと、屋上に設置されたソーラーパネルは650枚。
ニトリホールディングス SDGs推進室 奥田理室長 奥田室長「店舗で使用する分の約3倍の発電をしているんですね。3倍発電すると、電気が余ってしまう。その余った分を近隣のソーラーパネルの置けない店舗に融通する仕組み」 自社で使う電力の大部分を賄う試み
店舗の屋上で発電された電気は、他の店舗や工場などに融通し、自社で使う電力の大部分を賄おうという試み。
2030年度までには、国内180の店舗や工場の屋根にソーラーパネルを設置。国内にある800以上の店舗の大部分の電力を自社でまかなう計画だ。
180拠点に設置した場合… 奥田室長「(180拠点に設置した場合)一般家庭2万3000世帯分の年間に使う電気料を賄える。温室効果ガス、いわゆるCO2を年間5万トン削減することができる」
年間で12億円もの電気代削減にもつながるニトリ発電所。国の制度を利用し、再生可能エネルギーを国内の店舗に融通させる仕組みは日本初だという。
ペナルティーの仕組み「つくった電気を他の店舗に回す」。一見、簡単に思える仕組みだが、これまで中々実現できなかったのには、ある理由がある。
奥田室長「発電予測を外してしまうと、ペナルティーがかかってしまいます」
通常、発電事業者は、事前に発電量の予測をし電力会社に報告する義務がある。
実際の発電量がその予測を大きく外れてしまうと、ペナルティーが課せられる。しかし、自然を相手にした再生可能エネルギーにおいて、正確な発電量の予測は至難の業だった。
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■“発電予測を外さないAI”とは?■“発電予測を外さないAI”とは?
“発電予測を外さないAI”困難だった正確な電力予測を可能にしたのは、スタートアップ企業が開発した“発電予測を外さないAI”だ。一体、どういうものなのか。
サステック 丹野裕介社長 サステック 丹野裕介社長「我々の場合は、世界にあまたある天候であったり湿度であったりというデータをすべて集めてきて、それをAIに解析させているというところが一つの強みです。単一のAIをただ一つ使っているのではなく、AIを監視するAIを監視するAIを監視するAIという、多重構造になっている」
例えば、予測の難しい曇りの日。雲の高さや厚み、太陽の角度などの300以上のデータを元に100以上のAIがそれぞれに分析。さらに別のAIが最も精度の高いAIを選定し、予測は行われる。
16日の静岡・藤枝店周辺の天気予報は雨。しかし実際の天気は、晴れと曇りを繰り返していた。
実際の発電量とAIの予測 丹野社長「(この日の天候は)予測が一番やりづらい日になるんですけれども、ほとんど点線部分と実線部分がずれていない。晴れの日でですね、非常に天気が予測しやすいと、実線と点線が重なってほとんど違いが見えないというところまで予測精度が上がります」
発電予測の精度は、なんと98%。この正確な発電予測のおかげで、余剰電力を無駄にすることなく、他店舗へと融通することが可能になった。
リサイクルを前提とした商品の開発など、循環型のビジネスを推進してきたニトリが新たに取り組む再生可能エネルギーの自給自足システム。
奥田室長「屋根が余っている所たくさんありますので、そういった所に(ソーラーパネル)敷き詰めて、森とか田んぼを切り開かずに、こういったエネルギーを循環させる仕組みをグローバルに広げていきたい」
(「羽鳥慎一モーニングショー」2024年9月25日放送分より)
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