円高がじわりじわりと進むなか、早くも還元セールの動きです。

■“円高還元セール”何が安くなる?

 オーストラリア産の輸入牛肉を使った東京・品川区にあるステーキ店。期待の声が聞こえてきました。

ステーキハウスベラス 北川真介マネージャー
「若干ですけど、仕入れ値は下がってきています。円高になって仕入れ値が下がってくれば、お客さまに提供する金額も下げられる」

 6月の末には1ドル160円を突破する超「円安」でしたが、今週は一時139円台を付けて「円高」に転じています。

 店は歴史的な円安の影響で輸入牛肉の仕入れ値が最大で3割増しに。それでも値上げせずに踏ん張ってきました。ようやくの「円高」です。

ステーキハウスベラス 北川真介マネージャー
「(1ドル)120円台くらいになってくれればうれしい。円高が進めばキャンペーンをやっていこうという話がでている」

 今後、円高の進み具合に合わせて客に還元する金額を決めるそうです。

 すでに「円高還元」セールを打ち出しているのが大手スーパーの西友です。例えばアメリカ産の牛肉100グラムが20円以上安い214円。エクアドル産のエビも20円以上安い247円と、海外から輸入している生鮮食品が9%前後の値下げに。さらに、チョコレートなどの輸入菓子は最大で14%ほどお買い得になります。

 円高の期待感は庶民の味方であるスーパーの「アキダイ」にも…。

アキダイ 秋葉弘道社長
「(サーモンは)円安になる前は100グラムあたり157から197円で売っていた。それが今、399円。2倍ですよね。円高に振れたら5円ぐらいの値下がりが期待できる」

70代の人
「(円高で)ちょっとでも安かったら買っちゃう」

50代の人
「値上り値上りじゃないですか。安くなっていくとうれしい」

 輸入肉や魚の他に円高の恩恵を受けそうなのが野菜や果物です。

アキダイ 秋葉弘道社長
「輸入品はバナナが代表で、あとアボカドとか、ベビーコーンとニンニクの芽、ほぼ輸入品といって間違いない」

 他にもカボチャやアスパラ、パプリカなども。さらに、値下げが見込まれるのは輸入品だけではないようです。

アキダイ 秋葉弘道社長
「これ国産の牛乳です。実は牛乳を出す牛が食べている餌(えさ)は輸入品だったりする。卵なんかもそう。野菜を作っている農作物の多くが輸入の肥料を使っている。コストが上がっちゃってますよね。そういうものが全般的に抑えられる」

 全体のわずか1割しかない国産小麦を使ったパンも…。

アキダイ 秋葉弘道社長
「輸入の小麦が下がれば国産の小麦が連鎖して下がる傾向がある。そうすると色んな特売もしやすくなる」

 いつ、安くなるのでしょうか。

アキダイ 秋葉弘道社長
「円安の時に仕入れて『円高になったからお金を返して』というわけにもいかない。そういうものが全部一掃されて、円高の良い条件で買えたものが流通し始めるのは数カ月後。生鮮食品も恐らく2から3カ月はかかる」

 安くなるタイミングは年末ごろになりそうです。

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