土地取引の目安となる全国の基準地価が発表されました。注目は北関東で「頭一つ抜けた」というあの街です。

■どんな土地が価格上昇? "交通&子育て" で移住者増

良原安美キャスター:
国土交通省は17日、2024年の基準地価(7月1日時点)を公表しました。

今回、住宅地で地価の上昇率が最も高かった地点は沖縄県恩納村で最大29%アップでした。背景にはインバウンド効果による移住者の増加があり、上昇率トップ10のうち7地点が沖縄となりました。

そして商業地で上昇率トップだったのが、熊本県の大津町で最大33.3%のアップです。台湾の半導体メーカー「TSMC」の進出が大幅な上昇につながりました。

どのような場所で地価が上昇するのでしょうか。

SUUMO副編集長の笠松美香さんは「交通の利便性、子育てのしやすい町は移住者が増えやすく、地価が上がりやすい傾向にある」といいます。

4年連続で地価が上昇している栃木県の宇都宮市では、2023年8月に次世代型路面電車「LRT」が開業しています。

さらに子育ては、保育所を新たに整備して7年間"待機児童ゼロ"、さらに高校3年生まで医療費無料を実施しているということです。

井上貴博キャスター:
リモートワークができるお仕事であれば、会社の近くに住む必要はないですから、いいですね。

元競泳日本代表 松田丈志さん:
子どもをどこで育てるか、どのような教育を受けさせたいか、というのが住む場所を変える決断のモチベーションになると思います。

私は仕事の中心である東京に住んでいますが、子どもが生まれて引っ越しをする際は都心であっても、狭い場所よりは少し離れた広いところを選んだり、また子どもが転校しなくてもいいように(引っ越しは)小学校入学前にすることも決めていました。

■住みやすい気温で移住者増 "避暑地" 軽井沢 児童が急増

東京カンテイ市場調査部の井出上席主任研究員によりますと「最近では移住先を選ぶ一つに住みやすい気温を重視する人も増えている」といいます。

人気の避暑地である長野県軽井沢町は、住みやすい気温ということで、準地価が最大14.3%上昇しています。軽井沢町の担当者は「気候などが後押しして、子育て世代を中心に移住者が増加傾向です」と話しています。

実際、移住者が増えたことで軽井沢西部小学校では児童数が急増し、5年前に比べて全学年で58人も児童が増えたそうです。教頭先生は「教室が足りずプレハブで対応している状態です」といいます。

また千葉県の勝浦市は1906年以降、35℃以上の「猛暑日」がないということで、ここ数年、移住の相談が増えているそうです。2024年現在の相談件数は去年と比べて2倍以上となり、勝浦市の担当者は「冬は寒すぎず、夏は暑すぎず、体に優しい街です」と魅力を話してくれました。

ホラン千秋キャスター:
移住したあとに、理想と違ったなとい人もいるかもしれません。

元競泳日本代表 松田丈志さん:
お試しで移住体験ができる自治体もありますので、利用してみるのもいいかもしれませんね。

■光熱費 なぜ抑えられる? 無料で"移住体験"も

年間平均気温が18.7℃という、松田さんの故郷、宮崎県日南市も注目されています。▼年間を通して温暖な気候、 ▼海産物も美味しい、ということで移住者が増加傾向にあるそうです。

さらに光熱費が抑えられるというメリットもあるようです。日南市の1年の日照時間は平均2200時間以上と、東京の日照時間2035時間(5年間の平均)と比べて170時間ほどくらい長いのです。

4年前に東京から移住した方によると「冬は寒すぎず日照時間も長い。東京に住んでいるときより光熱費が減りました」と実感をしているそうです。

さらに日南市は移住を迷っている人に移住促進住宅を用意しています。

利用期間は3日以上10日以内、無料で"移住体験"ができます。(1世帯1回限り)

住宅は日南海岸を一望できる場所にあり、広大な海を眺めながら新生活がイメージできるそうです。

元競泳日本代表 松田丈志さん:
宮崎県自体"日本のひなた"といわれています。一方で台風はよく来るし夏は暑い。けれども食べ物は海・山・川の食材が豊富でとても美味しいですよ。

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<プロフィール>
松田丈志さん
元競泳日本代表
五輪4大会出場 4個のメダル獲得
JOC理事 宮崎県出身 3児の父

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