北海道・旭川市でショッピングセンターがオープンしました。

 2年7か月前に閉店した店舗跡地での再出発。

 店づくりには地元の人たちの声が反映されています。

イチョウの木が見つめ続けた店舗の移り変わり

 約40年前に植えられたイチョウの木です。

 前の店舗が閉店したことでこの木をどうするか、話し合いが行われましたが、地元の住民からは「切らないでほしい」という声が相次ぎました。

 「切れないなあと、これは切っちゃいけないなあと。僕なんぞが切る切らない、言えるようなことじゃない。これだけお客さんの思いがある。絶対残さないと」(イオン旭川春光 門間 英樹SCマネージャー)

 木は店舗の移り変わりを見つめてきました。

 1981年「ニチイ」でスタートした店舗はその後、「サティ」や「ポスフール」に。

 2011年には「イオン旭川春光店」となりますが…

 「少しの間ですが、お客様とはしばしのお別れとなります」(当時の店長)

 建物の老朽化のため2022年2月、閉店しました。

住民の意見を聞いて店づくり 女性客のアイデアはデジタルサイネージに

 新店舗のマネージャー・門間英樹さんらは住民の意見を聞きながら店づくりを進めました。

 このデジタルサイネージも客の女性が描いた旭山動物園のアザラシの絵がアイデアのもとになっています。

 「『お母さん動物園行きたい、お父さん動物園行こう』となればいい。旭山動物園の情報もどんどん発信していきたい」(門間さん)

 良い店をつくるには地域の人が何を求めているのかを知る必要がある。

 イオンは住民とのワークショップなどのイベントをこの2年間で11回開きました。参加者は延べ100人以上にのぼっています。

 「(イオンの)皆さん、とても前向きに『いいですね』と。無理しない範囲で出来ることからやろうということで。雪ならではのイベントもみんなで考えてやっていきたい」(ワークショップに参加した女性)

「一日千秋の思いで待ってました」と地元の女性客

 閉店から2年7か月。待ちに待った再出発の日が来ました。

 「やっとこの日がまいりました。私は意識が高揚、ハイになっております」(門間さん)

 9月11日、プレオープンした「イオン旭川春光ショッピングセンター」。午前10時の開店とともに大勢の人でにぎわいました。

 住民の買い物を支えるとともに、新たな出会いや交流を生み出そうという施設です。

 「一日千秋の思いで、再度できるのを待ってました」(地元の女性)

 「最初なんだっけ、サティじゃなくて、昔はニチイか。ニチイ、サティ、ポスフールか。ずっと使ってるんで」(地元の夫婦)

 ショッピングセンターには食料品や化粧品など21の専門店が出店しました。

 釣り具やアウトドアのグッズを扱う「コルソ」は旭川初出店で、道北地方では最大級の規模だということです。

 焼き鳥の居酒屋「串鳥」は道内で初めてテイクアウト専門の店にしました。

 「(テイクアウト用に)新たに塩だれを開発した。この塩だれ、おいしく出来たと自負している。ぜひ居酒屋の(串鳥)との違いを見ていただければ」(串鳥を運営する札幌開発 金光 弘文 広域販売本部長)

イチョウの木の前には子どもが遊べる公園

 店の前には子どもたちが遊べる公園がつくられ、自由に飲食ができるようにしました。

 「(木が)切られちゃうのかなと思ってたんですけど、本当に残ってるんだと、子どもたちと喜びました」(地元の女性)

 「常にお客様の声を聞きながら、進化といいますか、こちらの方も変えていきたいなと思っております。お客様と一緒に新しいお店を作っていきたい」(門間さん)

グランドセレモニーには意見を出した住民を招待

 13日はグランドオープンのセレモニーが行われ、店づくりに意見を出した人たちも招待されました。

 デジタルサイネージのアイデアのもとになった絵を描いた湯浅美華さんもその1人です。

 「まさか自分のアイデアが大々的にパネルになったり、そういうのを見て感動した」(湯浅 美華さん)

 地元の人たちの意見を生かしたショッピングセンター。店舗とイチョウの木の間につくられた広場の名前を店では9月23日まで募集しています。

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