去年から、全国の大手スーパーやサービス業などで、従業員の身だしなみに関するルールを緩和したり自由化する動きが相次いでいます。そんな中、県内でも身だしなみに関する規則を見直す企業が出てきました。その背景にあるものとは?取材しました。
店長:「髪色変えた?」
鈴木さん:「変えました!」
店長:「それ何色?」
鈴木さん:「ミルクティーベージュです!ずっとしたくて、高校生の時から。念願かなって幸せです」
鈴木さんが働く県民生活協同組合は、今年2月から、スーパーや福祉施設などすべての従業員を対象に、身だしなみの規則を自由化しました。
福井県民生協同組合 茶谷秀佳部長:
「もともと、県民生協ではダイバーシティの推進に積極的に取り組んできたこと、また、職員の声からも、時代に合わせた身だしなみの基準に見直してほしいという声があったことから、見直すきっかけとなりました」
これまでのルールでは、髪色は明るさレベル6より暗い色、ピアスは5ミリ以内で片耳に一つのみ、男性はひげ禁止、女性のつけまつげ禁止など、あらゆる面で細かく規定されていましたが、今後は、衛生的・安全性・清潔感を守れば自由となりました。
例えば、生鮮部門で働く鈴木さんの場合、「衛生的な観点」から、作業中は、髪を帽子の中に入れる必要がありますが、髪色は自由となりました。
鈴木未来さん:
「髪色を変えたことによって、今まで関わりがなかった職員ともコミュニケーションをとるきっかけになった」
ルールの見直しによって、職場のコミュニケーションが活発化したほか、退職をとどまる人が出てくるという事例もあったとのこと。県民生協組合では、今後、求職者数の増加も期待しています。
買い物客の反応は?
買い物客:
「会社がいいと言うなら個人の自由だと思う。一生懸命仕事をしていればいいかな」
「なんか全体的に明るくなって、雰囲気が親しみやすいかな」
一方、スーパーセンターを展開するPLANTでも、身だしなみルールの見直しが行われました。
PLANT2坂井店の総合案内所で働く高山はづきさん、3月に規則が緩和されてすぐに髪を赤色に変えました。
高山さん:
「せっかく規則が変わったので、今まで暗めの色しかだめだったので、せっかくなら明るい色にしてみようかなと思った。お客様から褒められることもあってうれしい」
これまでは、ヘアスタイルや服装など細かく規則がありましたが、3月21日に、安全性や衛生上、問題が無ければ、髪色や髪型、パーマは自由に、ピアスや指輪、ネイルなども、働く部門によっては可能となりました。
高山さん:
「いい意味でも悪い意味でも目立つということで、なるべく、今まで以上に接客には気は張りますね」
ルールの自由化によって、従業員が自律的、意欲的に働くようになれば、組織としての力が上がっていくのではという狙いです。
また・・・、
プラント社長室長 畭卓資さん:
「いわゆる人口減で、採用難という問題がある。いかに採用間口を広げていくかが課題。みだしなみ、髪の色とか、そういった規制の中で埋もれてしまっている求職者もいるかも。そういう可能性も求めている」
県内でも進む、身だしなみルールの自由化。背景には、自分らしさを求める従業員のやる気アップに加え、人材獲得につなげたいという企業の狙いがありました。
<スタジオコメント>
どちらの取材先も、身だしなみの自由化についてポスターなどで来店者にPRしていることもあってか、クレームのようなものは、今のところ1件もないということでした。また、規則緩和によって、どちらの店舗も、従業員の笑顔がこれまで以上に増えたと話していました。
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