米騒動が続くなか、不足が解消されたとしても今度は値上げへとかたちを変え、異例の事態が続く可能性が出てきました。
■JA全農あきた会長「農家の思いに応えたい」
JA全農あきた運営委員会 小松忠彦会長 この記事の写真まもなく収穫を迎える時期に、涙を浮かべながら訴えるJA全農あきた運営委員会の小松忠彦会長。
JA全農あきた運営委員会 小松忠彦会長「どうか米価を上げて少しでも農家の思いに応えたい」
日本有数のコメの生産地・秋田で何が起きているのでしょうか。
収穫まであと数週間風に吹かれ、重たくなった実を揺らす稲穂。収穫まで、あと数週間となりました。
黒瀬農舎 黒瀬友基さん(46)「久々に豊作というか平年並みというか、いい感じでうれしい秋を迎えられていると思っている」 ここ2年は厳しい自然環境の影響を受けていた
ここ2年、稲作は厳しい自然環境の影響を受けていました。
黒瀬さん「去年は高温で、品質も収量もあまり良くなかった。その前の年になると低温・日照不足で不作でして」 気候に偏りも
気温に偏りがあると、穂の数が減ったり、コメ1粒のサイズが小さくなったりします。また、近年ならではの被害もありました。
黒瀬さん「大雨が一度降ると、どっと降ることが多くて。がれきなどが入ってきてしまうので作業ができなくなる」 近年は生産コストも高騰
自然の影響だけでなく、肥料や機械の価格などあらゆるものが高騰し、生産者を苦しめていました。
黒瀬さん「機械ですと、10年前・15年前と比べて1000万円前後する機械が倍の値段をする状況ですから。今年がどうとかではなく、ベースとしてコメの値段が上がっていかないと生産を続けていくのは厳しいだろうなと思います」
続いてきた農家の過酷な環境。コメの極端な需要過多があった今回、秋田のJAでは、いわゆる農家からの買取価格となる「概算金」の大幅な引き上げを決めました。
大幅な値上げ「あきたこまち」は1万6800円で、ここ10年で最大となる前の年から4700円の値上げ。本格デビューから3年目の「サキホコレ」も1万9500円と、同じ上げ幅になりました。
小松会長「現場に行くたびに“もう農業をやめる”という声が本当に多いです。聞いていて辛いです。どうか米価を上げて少しでも農家の思いに応えたい。もう1回やるんだという気持ちになってもらえれば」
次のページは
■コメ専門店「冷静に買ってほしい」と呼び掛け■コメ専門店「冷静に買ってほしい」と呼び掛け
農家の負担は軽減されることになりますが、それは私たちが購入する価格に影響します。
さいたま市内にあるコメの専門店では、店内にずらっとコメが積まれています。茨城県産新米のシールが貼ってあるものもあります。
出荷が始まっている地域の新米コメの専門店に並んでいたのは、すでに出荷が始まっている地域の新米です。
角田商店 白川和江代表「5キロで1000円くらい、1000円近く上がっています」
店に広がる動揺。今後について、白川代表は次のように話しました。
白川代表「東北のコメが出てくれば、少しは関東のコメが下がるかもしれないと言われているんだけど分かんないですよね。このまま高値で、ずっといっちゃうかもしれないし、誰も分からない」
客も価格には敏感です。
店員「かなり上がっているんですよ」 客
「農家も新米は1万3500円とか、30キロの玄米で」 店員
「もっと高いところは高いみたいですよ。仕入れとか頭抱えています」 価格は高騰する一方
コメの価格は高騰する一方ですが、すぐに売れてしまいます。
仕入れている量は例年と同じだという 白川代表「千葉の新米とかも入っていたんですけど、新米も入ってもすぐなくなっちゃうので。仕入れている量は(例年と)同じなので、求めている量がとても多いんだと思います」
取材で店に伺っていた時も電話がありました。
取材中も店に問い合わせの電話 白川代表「(Q.今は何の電話だった?)“おコメはありますか”と」
「(Q.こういう電話も多い?)すごく多いですね。出る電話、出る電話、“おコメありますか?”って。お米屋なのに」
店主は、冷静に買ってほしいと呼び掛けています。
鮮度がとても大切 「冷静に買ってほしい」と呼び掛ける 白川代表「やっぱりおコメって鮮度がとても大切なので、食べ終わる直前に来ていただいて、精米して持って帰っていただくのがベストだと思います」
(「グッド!モーニング」2024年9月2日放送分より)
この記事の写真を見る鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。