お菓子やアイス、食卓を支える冷凍食品など、9月は約1400品目の食品で値上げされることが調査会社のまとめでわかりました。秋になっても食品の“値上げラッシュ”が止まりません。

■9月の値上げ 1392品目 冷凍食品も“定番アイス”も

加藤シルビアキャスター:
帝国データバンクによると、9月は1392品目で値上げが行われるということです。そのうち最も多いのが、冷凍食品などの加工食品で757品目にも上ります。

家計を預かる身としては厳しいと感じてらっしゃる方が多いと思いますが、加工食品・冷凍食品だけでなく、おなじみの商品も値上げになっているということです。

アイスクリーム製品は一斉値上げとなりました。(※価格は税抜き)

●明治エッセルスーパーカップ:160円→170円
●森永乳業 ピノ:160円→170円
●ロッテ 雪見だいふく:160円→170円
●赤城乳業 ガツン、とみかん:160円→170円 

それぞれ10円の値上げが発表されています。
 
赤城乳業というと有名なのは「ガリガリ君」。
2024年3月に70円→80円の値上げが発表されていましたが、今回は「現時点で値上げの予定はありません」と担当者は話しています。

さらにアイスクリームだけではなく、定番のチョコレート菓子も値上げしています。

●チロルチョコ <ミルク>など:出荷価格約17% 増加
●有楽製菓 ブラックサンダー:出荷価格約14.3%増加
●不二家 カントリーマアム(贅沢バニラ):16枚→14枚 9月24日発売分より変更

山内あゆキャスター:
子どもたちの悲しみの声が聞こえてくるようですよね。

日比麻音子キャスター:
値上げのニュースのたびに値上げショックや値上げ疲れがあると思います。

その一方で、春闘では歴史的な賃上げや、最低賃金が都道府県別で上がるなど、徐々に動きはありますが。

東京大学 斎藤幸平准教授:
8月からドイツに来ていますが、ドイツも物価高がすごいです。お菓子やオレンジジュースを子どもがスーパーで買いたがりますが「ちょっと買わないでくれよ」ってなってしまうぐらい、円安がひどいですよね。

この30年間で賃金も上がってない中で、生活実感としても、本当に日本は貧しくなっているな、これだと学生も留学できない、旅行もできない、と日々悲しい気持ちになったりしています。

■値上げラッシュの中・・・企業努力も  チョコの厚みUP、1割値下げ

シルビアキャスター:
一方で、企業努力している例もあります。

8月に値上げしたロッテ「ガーナ」162円(税込)。食べたときの幸福感・満足感を追求するために3Dプリンターを駆使。

研究の結果、量は変わっていませんが、9月3日からチョコの厚みが5ミリ→5.5ミリにアップします。食感・歯ごたえなどを意識して満足感などを得ようという企業努力です。

さらに値上げラッシュの中、値下げを発表しているのが日本生活協同組合連合(コープ)です。

9月から11月まで「くらし応援全国キャンペーン第3弾」として、プライベート商品を中心に約180品を1割値下げするということです。

特に要望が多かった「冷凍食品」は“値下げ対象”商品を前回の8品→29品に増やして値下げするということです。

山内キャスター:
値上げしていることで苦しんでばかりもいられないので、どういうふうに家計を守るのか、あとは収入を増やしたいという気持ちがあります。

日比キャスター:
この値上げとどう付き合い続けていくか、持久力も必要なのかなと思いますが・・・

斎藤准教授:
最初の頃は戦争やコロナがあったから一時的に値上がりしている、という話でした。これは間違いで、長期化は避けられない。インフレはもうずっと続くと思うことが大事です。

世界の人口が凄く増えていて、中国も豊かになっています。そういった人達がカカオ、コーヒー、オリーブオイルを買うようになっている。

一方で、供給側は気候変動の影響を大きく受けています。干ばつなどでオレンジ、オリーブ、カカオなどの生産量が下がっています。

オリーブオイルであればサラダオイルやごま油で替えがききますが、毎日食べないと死ぬような米、小麦などにまで影響が出てくる可能性が高まっているということを認識して、気候変動やインフレの問題にしっかり向き合っていく必要があると考えています。

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<プロフィール>
斎藤幸平さん
東京大学 准教授 専門は経済思想・社会思想
著書『人新世の「資本論」』50万部突破

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