ゆっくりと、近畿地方へと向かっている台風10号。早くも各地で被害が出ていて、警戒が必要です。
徒歩並みのスピードという「ノロノロ台風」となっている台風10号。近畿には今週末、最も接近するとみられます。
■徳島では29日に線状降水帯発生
最接近の前にもかかわらず被害も。徳島県上板町で29日、住宅の屋根と天井が崩落し、80代の男性1人が死亡しました。
【記者リポート】「徳島県上板町です。あちら台風の影響でしょうか、屋根と天井が完全に崩れてしまっています」
徳島県では29日午後、線状降水帯が発生しました。
【記者リポート 29日午後7時前】「JR徳島駅前です。さきほどから急にかなり強い雨が降り始めました」
■大雨の影響全国で 土砂崩れ、道路冠水、住民孤立
また30日午前、神奈川県では、二宮町に一時、緊急安全確保が出されるなど被害も出ています。
神奈川・伊勢原市の新善波トンネルでは、大雨の影響で土砂崩れが発生し、乗用車2台が土砂に巻き込まれました。当時、車2台に3人が乗っていましたが、けがはありませんでした。
一方、29日~30日にかけて台風10号が横断した九州地方でも冠水などが相次ぎました。
【記者リポート 大分県別府市 29日午前】「別府市の県道11号、別府ロープウェイに向かう道路はあのように水があふれて滝のようになっています」
【記者リポート 大分県由布市 29日】「この先、道路が冠水してしまっています。もともとは道路があった場所です。両サイドは田んぼです。完全に稲が水の中に沈んでいます。バスが水に埋もれてしまっていますね」
宮崎県では…。
【田中良幸リポーター 宮崎県延岡市 29日午後】「住宅の間の部分の道路が、相当広い範囲で冠水していますね。あ、人がいる。大丈夫ですか?」
道路が冠水して、住宅が孤立。
【田中良幸リポーター】「みなさんおけがとかないですか?」
【住民】「大丈夫です」
【田中良幸リポーター】「何時ぐらいからこの状況なんですか?」
【住民】「お昼くらいからですね。どうにもできないですね」
FNNのまとめでは、これまでに5人が死亡、91人がけが、2人が行方不明となっています。
■観光地に打撃 和歌山・白浜では南海トラフと台風で大きな損失
ノロノロ台風は、関西の観光地にも大打撃を与えています。
【紀州白浜温泉むさし おかみ 沼田弘美さん】「キャンセル、(週の)前半では200件弱ぐらいだったんですけれども、日が延びるにつれてもうその数字は計り知れないぐらいになっていますね」
和歌山県白浜町の旅館では、一度は週の前半の予約を後半にずらしましたが、台風の進みが遅いため、結局キャンセルするお客さんが相次ぎ、この1週間の損失額は1000万円以上に上るということです。
白浜町では8月、南海トラフ地震臨時情報を受け、1週間ほど海水浴場が閉鎖されたばかり。そのときも400件以上のキャンセルが出て、およそ5000万円の損失を被ったということで、厳しい夏となっています。
【紀州白浜温泉むさし おかみ 沼田弘美さん】「まさかの長いスパンで部屋が空いているというのは、例年にない。ことしの夏は、ちょっと本当にいつもと違う」
■医療的ケアが必要な子供は早めの避難
台風が近づいている徳島県。避難指示が出ている阿南市では、医療的ケアが必要な子供が家族とともに早めの避難をする姿も見られました。
【母親】「停電が長引くと呼吸が自分でできなくなる。酸素も確保できなくなって命が危なくなります」
テントやベッドなど必要なものは、避難の連絡を受けた市があらかじめ準備していたということで、スムーズに避難できたということです。
■新幹線運転取り止めなど交通機関に大きな影響
台風10号の接近によって、今週、交通機関にも大きな影響が出ています。
29日に運転が取り止めになった東海道新幹線。関西テレビの山本大貴アナウンサーは、東京出張からの帰りに乗っていた新幹線が静岡で止まりました。
【関西テレビ 山本大貴アナウンサー】「2時間ほど運転を見合わせていましたが、大雨の影響で運転を取り止めるというアナウンスが入りました。この新幹線は東京駅へ折り返し運転を行うということです」
そして、30日も東海道新幹線は、東京と名古屋の間で終日運転を見合わせています。
【大阪から埼玉へ帰る人】「敦賀までサンダーバードで行って、そこから北陸新幹線で帰ろうかなと思っています。当初なら東海道新幹線でさっさと帰る予定だったので、動いていればなあって思いますね。余計にお金かかっちゃったので」
また、山陽新幹線では、広島と博多の間で終日、運転を取り止めていて、31日については、新大阪から博多の間で、本数を減らして始発から運転を行う予定だということです。
なお31日、東海道新幹線は、三島と名古屋の間で終日運転を取り止めるため、山陽新幹線は終日、新大阪駅発着となり、東海道新幹線との直通運転は取り止めとなります。
(関西テレビ「newsランナー」 2024年8月30日放送)
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。