高原町では、7月に町の木の「タチバナ」の果実を使った商品開発コンテストが開かれます。タチバナの魅力を高めて、地域活性化につなげようという取り組みです。
(早瀬純哉記者)
「高原町役場のすぐ目の前には、町の木に指定されているタチバナの木が並び、現在、たくさんの実がなっています。」
日本発祥の地をPRする高原町。日本最古の歴史書「古事記」に登場するとされるタチバナは、1973年に町の木に指定されましたが、これまで上手く活用されてきませんでした。
(高原町産業創生課 森山業課長)
「実が苦みや酸味がある。高原町のタチバナは、植えてそのまま手入れをしていないので、味がつかない。ただ匂いはみんないいと言う。」
(早瀬純哉記者)
「実際にタチバナの実を食べてみたいと思います。食べられないことはないが、口の中に苦みが残ります。」
素材のままでは、町の特産品として広まらず…。
高原町では、加工品やコスメなどの商品を募集するコンテストを今年7月に開きます。
(高原町産業創生課 森山業課長)
「タチバナが苦みがあると言われているのがかわいそうだった。高原町の木であれば、なにか今まで価値の無かったものに価値を持たせて、いろいろなものに価値を持たせるというのがタチバナを通じて波及していけばいいと思う。」
コンテストを開くには、民間企業の協力が欠かせませんでした。その理由は…。
(高原町産業創生課 森山業課長)
「タチバナの実の絶対数というか、個数、定量がとれない。」
ほとんどが街路樹として植えられていて、町内に安定した量を収獲できる場所がない中で、地域創生の活動を行っている「チームにしもろ」は、タチバナを使ったクラフトコーラを作った経験があり、実を集めるノウハウがありました。
(チームにしもろ 鈴木孝充代表)
「タチバナは、高原町で記念樹としてよく使われていて、家になっているところが多いと聞いたので、一軒一軒回って収獲した。町内の方にご協力いただいた結果、約200キロのタチバナが収獲できた。」
こうして集められたタチバナの実は、4月19日に開かれたコンテストの説明会で配布されました。
説明会には、町の内外から約20人が参加。参加者は、タチバナのジュースを飲んで味を確かめたり、タチバナの特徴や歴史を学んだりして、商品開発のヒントを得ていました。
(小林秀峰高校の生徒)
「タチバナの独特な香りと風味を使って、お総菜やデザートを作りたい。」
「タチバナティーを作りたいと思った。最優秀賞を狙ってがんばります。」
(高原町産業創生課 森山業課長)
「食べたら目がつぶれるくらい酸っぱいとか、意外性で特産品にならないかなと思う。」
コンテストの入選商品は、ふるさと納税の返礼品のほか、今年10月の町制90周年の式典で配るなどして、PRしていくということです。
高原町では、原料の安定確保に向けて、タチバナの木の植樹なども検討しています。
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