食卓に新たな革命が!“タネが消えちゃう?”スイカに、“スイカのような”、“レモンのような”メロンまで。夏のフルーツの二大巨頭、スイカとメロンが今、驚きの進化を遂げています。
安住アナも驚いた「タネごと食べるスイカ」
「今、スイカが熱いです。タネごと食べてプチプチして美味しいという新スイカが出てきた」と話すのは、全国の農家や飲食関係者が愛読する日刊紙『日本農業新聞』の報道部次長、石原邦子さん
その新しいスイカとは、2024年から本格的に全国のスーパーに出回り始めた「ぷちっと」。値段は普通のスイカと同じぐらい。
外見も、緑に黒の縞模様と一見普通のスイカですが大きく違う点が2つあるんです。
まずはタネ。大きさが普通のスイカの8分の1!ゴマぐらいのサイズ。
しかも果肉と同じぐらい簡単に嚙み切れるので、タネを食べている感覚がないんです。
実際に食べてみたTHE TIME,マーケティング部の原千晶部員も
「全然タネ気づかない。すごい!タネが気にならないからサクサク食べられる」
安住紳一郎アナも食べたことがあるとのことで、「キウイフルーツのタネみたいな感じでそのままいけるし、噛んでもチョコチップやゴマみたいな感じで気にならない」とのこと。
新品種スイカ「ぷちっと」が誕生したのは、奈良県。
実は、日本のスイカの品種の8割は奈良県生まれ。雨が少なく、寒暖差の大きい奈良盆地がスイカ栽培に適しているからなんです。
その奈良県にある『萩原農場』は、100年以上前からスイカの品種改良を続ける“スイカ業界のトップランナー”で、新品種「ぷちっと」も開発しました。
『萩原農場』スイカ育種チーム 大岩利和さん:
「一般的にはこの業界、1品種作るのに10年ぐらいかかると言われていますが、ぷちっとは20年ぐらいかかった」
タネを噛んだ時にガリっとした嫌な食感、これをどう克服するか…。
タネなしスイカもありますが、栽培に手間がかかるため量産しにくいのが欠点。そこで発想を変え、「タネを感じないぐらい小さく」と、様々な品種を2万通りも交配。
夏前後の5カ月で200玉のスイカを食べ、20年かけてタネごとおいしい「ぷちっと」を誕生させたのです。
果肉の硬さにも特徴が
さらに「ぷちっと」が普通のスイカと違うのはタネだけではありません。果肉にも新しい特徴があるんです。
『萩原農場』スイカ育種チーム 大岩利和さん:
「果肉が非常に硬い品種。スイカを切る前提で品種育成をしてるので、ぷちっとは果汁が出にくくて、カットしてもしっかり持つのが魅力の一つ」
この“果肉が硬くて崩れにくく、ドリップも出にくい”という特徴が発揮されるのが、カットフルーツ。
切る手間がいらず、食べきりサイズが人気のカットフルーツですが、中でも、カットスイカは急上昇。
販売金額が【2013年:123億6000万円】⇒【2022年:275億5000万円】と、10年間で2.2倍に!2020年にはカットパインを追い抜く勢いです。(※全国スーパーのみ:インテージ調べ)
今やカットフルーツの王様となったスイカ。名産地は全国各地にありますが、もともとは奈良がスイカ王国。今も品種改良で、全国のスイカ農家を支えています。
生産農家わずか3軒の希少品種「スイカメロン」
ところ変わって北海道。ここでも2024年、斬新な夏フルーツが開発されたといいます。
『日本農業新聞』石原さん:
「スイカメロン。メロンの甘さなのに、食感がスイカっぽい。サクサク食感とか歯ごたえというのは結構若い人に人気なので、品種として食感の幅も広がっている」
この「スイカメロン」が栽培されているのは、北海道の富良野と名寄の2か所だけ。まだほとんど市場に出回らない希少品種です。
見た目は、夕張メロンやマスクメロンのような網目があり、ラグビーボールのような形。ここまではメロンそのもの。切ってみると、きれいなオレンジ色の赤肉。
これも一見普通のメロンのようですが食べてみると…
HBC北海道放送 堀内大輝アナ:
「食感がシャリシャリってしていて、本当にスイカそのもの。噛むとメロンの甘みが、じゅわーっと出てくる。すごい」
メロンなのにシャリシャリ、シャキシャキ食感が特徴の「スイカメロン」。
中国とモンゴルにまたがるゴビ砂漠近くの乾燥地域原産の「ハミウリ」を改良した品種のため、水が少しでも多いと割れてしまうなど栽培が難しく、生産農家はわずか3軒。
今年は1000玉だけ出荷したそうですが、来年はお中元ギフトとして展開予定とのことです。
ついにスーパーにも登場「レモンメロン」
さらには、「レモンメロン」なるものまで2023年は試験販売でしたが、2024年は収穫量が増え約2万玉に。北海道や首都圏のスーパーでも販売されるようになりました。
白い果肉を口に入れるとレモンのようなさわやかな酸味、そのあとにメロンの甘みが感じられる不思議なメロン。甘みも2023年より増しているといいます。
HBC北海道放送 堀内大輝アナ:
「最初にガンと酸味が来るけど、その酸味と混ざってどんどん甘酸っぱさに変わる。夏らしいというか、涼しげですね」
この「レモンメロン」や「スイカメロン」を生産している農場が『サントリーフラワーズ』。サントリーでは、10年ほど前から野菜事業をスタートさせ、国内ではまだ無名の「美味しくて驚きのある野菜」を展開しているんです。
国内事業部 青果ビジネスG 友井潤さん:
「メロンを通り越して、『スイカメロンを食べる日だ』、『レモンメロンを食べる日だ』。そんなブランドに育てていきたい」
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。