■コメがない! およそ8割の小売店で品切れ

政府は、どう答えたのでしょうか。
米が買えない事態が相次いでいるとして、大阪府の吉村知事は26日、政府に「備蓄米の放出」を要望しました。

■吉村知事 政府に備蓄米の開放要請

「スーパーにコメがない!」
先週お伝えしましたが、いま大阪市内のスーパーは、どこもコメの品薄状態が続いています。

大阪府が緊急調査を行ったところ、およそ8割の小売店で、コメの品切れが発生していることが判明。

吉村知事は26日、政府に対し、備蓄米を開放するよう求めたことを明らかにしました。

【大阪府・吉村洋文知事】「需給がひっ迫しているのであれば、倉庫に眠らせておく必要はないと思います」

備蓄米とは、一体どういうものなのでしょうか?


■平成のコメ騒動によって備蓄米が制度化

およそ30年前に起きた”平成のコメ騒動”。

冷夏による記録的な不作で、深刻なコメ不足となったこの時の経験から、備蓄が制度化され、国民が安定的にコメを食べられるよう、政府は現在、およそ91万トンを備蓄しています。


■農水大臣の答えは「慎重に考えるべきものと考える」

吉村知事の要望に、農水大臣は次のように答えました。

【坂本哲志農林水産大臣】「民間流通が基本となっている米の需給や、価格に影響を与える恐れがあるため、(備蓄米の放出は)慎重に考えるべきものというふうに考えております」

政府は、「全国的に見れば需給ひっ迫にない」、「新米の生育は順調に進んでいる」として、コメ不足は今後、解消していくとの見通しを示しています。


■政府の判断は違うと思う

これに対し27日午後、吉村知事が反論しました。

【大阪府 吉村洋文知事】「一般の皆さんが家庭で使うのを買いに行ったときに、『ない』というのが、実態なのだろうと思います。
全国広く起きているのであれば、僕は需給はひっ迫していると思うんです。『コメ価格に影響を与えたらダメだから、備蓄米はそのまま倉庫に眠らせておく』という判断は、違うと思います」

関西テレビの神崎博報道デスクは、備蓄米の放出に農林水産省が慎重な姿勢をとることについて、こう指摘しました。

「9月には新米が出回って供給されるということと、2011年の東日本大震災の翌年にコメ不足ということで、備蓄米を一度4万トンぐらい放出したことがあるんです。その時に一気に市場のコメの価格が下落してしまったということで、踏み切れない、慎重になっているんだと思います」

「ルールのようなものがありまして、市場価格が、例えば5割ぐらい上がってしまったら、そこから『緊急調査』を全国的にかけます。そこから食糧部会というのを開いて、最終的に大臣が判断するというような、役所のプロセスがあります。
まだその『緊急調査』もなされてないぐらいの段階なので、農水省としては放出しにくいという現状があるんです。
しかし吉村知事が言っていたように、いま、どこのスーパーに行ってもコメが無い状態なので、この時に備蓄米放出しないで、いつするんだっていう意見もあると思いますよね 」

(関西テレビ「newsランナー」2024年8月27日放送)

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