(ブルームバーグ):27日朝の東京外国為替市場の円相場は1ドル=144円台半ばと、前日夕から水準を下げて推移。中東情勢悪化によるドルの逃避買いや、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言後の大幅なドル安の揺り戻しで、円は週明けの東京市場で付けた3週間ぶり高値から下げに転じた。目先もドル買い・円売り優勢の流れが続きそうだ。

三井住友信託銀行米州部マーケットビジネスユニットの山本威調査役(ニューヨーク在勤)は、「イベント通過の一服感」がある中でパウエル議長発言後のドル安の反動が出やすいと指摘。リッチモンド連銀総裁やサンフランシスコ連銀総裁の発言がパウエル議長ほどハト派でなかったことや、中東情勢の悪化もドル買い戻しの流れを後押ししたと述べた。

26日の米国市場で円はカナダドルやドルに対して下落。中東不安を背景に原油先物価格が上昇し、産油国通貨や安全通貨とされるスイスフランなどがアウトパフォームした。米国債は週内に国債入札を控えていることが重しとなり、金利が上昇。英国市場は祝日で休場だった。

三井住友信託銀の山本氏は、「ドルは米長期金利の低下との比較で売られ過ぎたことの反動で買われやすく、円相場は146円付近まで売られる可能性がある」とみる。もっとも長期的には日米の金融政策の方向性の違いが意識されるため、円は徐々に底堅くなると予想した。

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