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 うなぎがおいしい季節を迎えるなか、7000円を超える高級うな重が人気です。仕入れてもすぐに売り切れてしまう、おいしさの秘密を探りました。

■7300円「特別うな重」 数量限定で提供

外はカリッと中はふんわりのうなぎ

 絶妙な焼き加減で照りが出たうなぎの身は、外はカリッと中はふんわり。タレの絡んだ香ばしいにおいが食欲をそそります。

街の人
「(タレとの)絶妙なコンビネーションがめちゃくちゃおいしくて、本当に癖になるおいしさ」 街の人
「暑いので、力つけたいなと思って食べた」 スタミナ食として人気のうなぎ

 この時期、英気を養うため食べたくなるのが、古くからスタミナ食として人気のうなぎです。

 東京・台東区にある「駒形前川 浅草本店」では、数量限定で特別なうなぎを提供しています。

テレビ朝日 紀真耶アナウンサー
「うなぎ本来のうまみがしっかり香ってくるのに、後味はあっさりとしていて、おいしい。いくらでも食べられますね。普段食べているものよりもうまみが強くて、タレの味に負けないくらい、うなぎの味がします」 うな重(並) 7300円

 口の中で一瞬でほどけるふんわりとした身と、すっきりとした脂で、うまみがギュッと詰まった特別なうなぎ。うな重は7300円からですが、それでも客の評判も高く、味も絶品です。

注文した客
「ふわふわだけじゃなくて食感もあって、味もしっかりしています。すごくおいしいです。でも限定だから、なかなかラッキーじゃないと」 注文した客
「初めて食べました。妻が注文したうなぎとは別なので、食べ比べてみました。はっきり分かりますね、違いが。やっぱり柔らかくて、ふわふわ感というか、ふっくら感というか、そんな感じがしました」

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■仕入れればすぐ売り切れ「坂東太郎」

■仕入れればすぐ売り切れ「坂東太郎」

国内屈指のブランドうなぎ「坂東太郎」

 実は、これは養殖のうなぎなのです。天然うなぎに限りなく近づけたという、国内屈指のブランドうなぎ「坂東太郎」です。

入荷するたびに売り切れ

 利根川の別名に由来する「坂東太郎」。国産養殖の別のうな重と比べて割高ですが、入荷するたびに売り切れてしまうほどの人気です。

駒形前川 大橋一仁社長
「やはりその味、深みであったり、うまみであったりを求めるお客様が『坂東太郎』という養殖うなぎを求めているのかなと思っております」

■高級ブランドならではのジレンマも

究極の養殖うなぎ「坂東太郎」

 「坂東太郎」が誕生したのは30年ほど前。日本一と評価が高かった利根川の天然うなぎそっくりの味にするため、卸業者・養殖業者・販売店の3者が協力して作り上げた究極の養殖うなぎです。

高級ブランドならではのジレンマも

 求める客が絶えない「坂東太郎」ですが、高級ブランドならではのジレンマもあるといいます。

忠平株式会社 高安豊和社長
「昔と比べると『坂東太郎』の値段も年々上がってきている。そんなに値段を上げすぎたら、いろんな方々に食べていただけなくなってしまうので」 「坂東太郎」の卸値は1キロ7000円台

 「坂東太郎」の卸値は1キロ7000円台。10年前は半額の3500円程度だったといいます。そこには、最高級ブランドならではの価格を下げられない理由がありました。

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■純千葉産 希少価値の高いうなぎ

■純千葉産 希少価値の高いうなぎ

「坂東太郎」は出荷量わずか5% 高安社長
「千葉県中のシラスウナギを集めて、純千葉産といった形で。『坂東太郎』の取り扱いは(全体の)だいたい5%になります」

 この卸会社では輸入や国産うなぎを年間350トンほど扱っていますが、そのうち「坂東太郎」はわずか5%にすぎません。

シラスウナギの歴史的不漁

 理由の一つが、シラスウナギの歴史的不漁です。国内の漁獲量は1980年代以降、激減。価格は1キロ16万円から250万円へと高騰しています。特に千葉県産に限定している「坂東太郎」は、より深刻な影響を受けています。

高安社長
「ここ何年も不漁なのですけれど、今年はより不漁でした。『坂東太郎』といっても宝物という形ではなくて、あくまでもお客様においしく食べてもらうために育てているので。(値段が)高くなるところを抑えて頑張っています」

■独自の養殖でコスト増加

「坂東太郎」専用の養鰻場 「坂東太郎」専用の養鰻(ようまん)場
臼井優太郎さん

「店に出荷する段階の『坂東太郎』になります」

 ここは「坂東太郎」専用の養鰻場です。「坂東太郎」は、ここを含めて2カ所でしか養殖していません。

臼井さん
「今年は(シラスウナギを)35キロで、匹数でいうと20万匹くらいを池に入れました」 およそ9000万円分の「坂東太郎」を養殖

 数を制限して、およそ9000万円分の「坂東太郎」を養殖。一般的な養殖うなぎとは決定的な違いがあります。通常は半年で出荷するうなぎですが…。

臼井さん
「『坂東太郎』は4月に池に入れてから、だいたい8カ月から1年を目安に飼育して、長く飼うというのが基本でやっています。より魚の肉質なんかを良くするために、長く飼うようにしています」 光熱費などのランニングコスト増

 水温や酸素濃度を徹底管理し、通常の2倍ほどの時間をかけてじっくりと育てることで、きめ細やかで上質な肉質になるといいます。しかし、その分、光熱費などのランニングコストもかかってきます。

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■味の決め手 こだわりの専用エサ

■味の決め手 こだわりの専用エサ

「坂東太郎」専用のエサ

 良質なうなぎに重要なのが、専用のエサです。

臼井さん
「ブラウンミールとホワイトミールが、養殖用のエサにはあるのですけど。うちはホワイトミールという白身魚、スケトウダラとかが主流ですね。今たぶん、日本で一番高いエサだと思います」
「(Q.1袋(20キロ)だいたいいくらぐらいですか?)数万円ですね。数万円しますね」 エサだけで一日数十万円にも

 養殖のエサには主に青魚が使われますが、「坂東太郎」はかまぼこにも使う高級な白身魚を使用。一日2回のエサやりで合わせて10袋。風味を出すために生のアジのミンチも加えていて、エサだけで一日数十万円にもなります。

 大量生産ができないうえに、コストもかかる希少な「坂東太郎」ですが、極力価格を抑えたいといいます。

「おいしいうなぎを食べていただくのが一番」 高安社長
「企業としては、今がけっこう大変な時代にはなってきているのですけれども。いろんなものを何とか抑えてでも、おいしいうなぎを食べていただく。それが一番です」

(「グッド!モーニング」2024年8月23日放送分より)

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