(ブルームバーグ):三菱電機の竹見政義半導体・デバイス事業本部長は生成人工知能(AI)ブームを受けて同社の光デバイス製品の需要が「非常に旺盛」で、継続的な生産能力増強が必要との考えを示した。
竹見氏は21日のインタビューで、巨大データセンター(DC)投資は非常に安定しており、顧客は「どんどん作りたい」と言っていると話した。生成AIブームは米巨大プラットフォーマーの「GAFAM」がけん引する。顧客の具体名は控えたが、5社のDCに同社製品はほぼ使われており、「どこが投資をしてもわれわれの製品を使ってもらえる」と述べた。
三菱電は巨大DCに必要な高速大容量化に対応する光デバイス技術に強みを持ち、DC向け光デバイス(送信用)では約半数の世界シェアを持つ。竹見氏は光デバイスの生産能力について、9月までに昨年比で5割増に高める計画だが、顧客の要望次第ではそれでも対応し切れないため、そこから2倍程度まで拡大する必要性も示唆した。
米アルファベット傘下のグーグルやマイクロソフトなど、米IT大手は世界各地で生成AIを動かすDCへの巨額投資を進める。マイクロソフトは4月、日本でもDC増強などに29億ドル(約4200億円)を投資すると表明していた。
三菱電は7月、今期(2025年3月期)の半導体・デバイス事業の売上高目標を2900億円から3000億円に引き上げた。竹見氏は主力のパワー半導体は産業用機器向けや電気自動車(EV)の販売は減速傾向だが、再生可能エネルギー向けのほか光デバイスの好調で補完することで「現時点では何とかなると思っている」と説明した。
竹見氏のほかの主な発言
- 中国の半導体メーカー勢、現時点では技術力の差は数年くらいあると思うが、将来的には脅威になる
- パワー半導体メーカーの再編、われわれは欧米と組んでやっていく戦略を取っており、一匹狼になるつもりはない
- 現時点で国内メーカーにラブコールを送っているわけでもないし、送られているわけでもない
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