コロナ禍で結婚式の延期が相次ぎ、大きな打撃を受けたウエディング業界ですが、新たな結婚式場がオープンするなど、再び競争は激しくなっています。コロナ禍を経て、好まれる傾向にも変化が出てきているといいます。
青葉区の瑞鳳殿の隣に先月、新たな結婚式場がオープンしました。一見、高級旅館のようなたたずまいの「青龍荘」です。
青龍荘 高山宗一朗ゼネラルマネージャー(※高ははしごだか)
Q趣のある建物ですね?「この自然環境を生かした建物となっています」
2021年に閉館した旅館「天龍閣」の跡地に建てられました。全国に30以上の結婚式場を展開するブライダル大手「ノバレーゼ」が初めて県内で手掛けました。
青龍荘 高山宗一朗ゼネラルマネージャー
「2階もあるけれど、ゲストの皆さまは1階でお過ごしいただける作り。完全バリアフリーな設計となります」
利用は昼と夜の1日2組限定で、貸し切りとなります。チャペルの扉を開くと…
「目の前に広がる青葉山と空と、左手には伊達家が植えたとされる杉林が広がっています」
ガラス張りのチャペルならではの景色です。
Q、チャペルに木のいい香りがする?
「完全木造建築となっていて松と杉の木でできています」
まさに自然に包まれて式を挙げることができます。披露宴会場もここにしかない眺望が自慢です。
青龍荘 高山宗一朗ゼネラルマネージャー
「弊社も10年以上前から仙台の土地で物件を探していた。瑞鳳殿に隣接した特別な場所ということにプラスして、このロケーションが決め手となり出店した。おかげさまで(予約数は)目標の200%で推移しています」
すでにある施設もニーズに対応した工夫をしています。宮城野区榴岡にある結婚式場は、去年から今年にかけて全館をリニューアルしました。
セントジェームスクラブ迎賓館仙台 柳沼日菜里さん(※柳は木偏に夘)
「人気のフォトスポットの大階段です。建物の中に、4つの披露宴会場と一つチャペルがある。全面リニューアルした」
チャペルもフラワーチャペルとしてリニューアル。新郎新婦には緊張感がほぐれると好評だそうです。チャペル正面にあった十字架も変化していました。
「皆さんと集まる時間がずっと『えん』として続いて行くようにそんな意味を込めてリースにしている。宗教色もあまり出したくないという方も増えてきているので、とても好評です」
ニーズに合わせて変化を続けるウエディングの形。県内の事情に詳しい雑誌の編集長は、近年の傾向をこう分析します。
「ゼクシィ」宮城・山形版 竹林真理奈編集長
「ゲストも一緒に非日常感を楽しめる自然がある場所だったり、写真を撮ることが多くて、映えるロケーションはすごく人気。コロナ禍を経て、楽しい歓談の時間を迎えたいとあえて演出の時間を取らずゲストと一緒に楽しむ、お話する時間を増やす傾向が見られている」
結婚式場側もこうしたニーズを敏感に取り入れています。
セントジェームスクラブ迎賓館仙台 柳沼日菜里さん
「新たにバーカウンターを設置した。ここにずらっとお酒が並んでゲストの方々が自由にお酒を取りに行く」
この施設では、バルコニー席を充実させ、新郎新婦とゲストが自由に同じ空間を楽しめる仕掛けを意識。利用するカップルはコロナ禍前と比べ2割増えたといいます。
「型にはまった、順序立てて組み立てられた進行にとらわれずに、今はフリーで歓談や写真を楽しんでいただく時間を求める方が増えてきました」
コロナ禍を経て、これまで以上にゲストと密に過ごす時間を大切にしたいと考える新郎新婦たち。式場もニーズに合わせて変化を続けています。
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