8月8日に発表されていた南海トラフ地震の「臨時情報」について、気象庁は注意の呼びかけを終了すると発表しました。
■「巨大地震注意」の呼びかけ終了 “備え”は続けて
【内閣府と気象庁の合同会見】「この間、地震活動や地殻変動に特段の変化が観測されなかったことから、特別な注意の呼びかけは先ほど17時をもって終了しました」
「特別な注意の呼びかけが終了したとしても、大規模地震の発生の可能性がなくなるわけではありません」
先ほど、防災を担当する内閣府政策統括官と気象庁が合同で記者会見を開き、南海トラフ地震臨時情報「巨大地震注意」の呼びかけは終了したと述べた上で、日頃の備えは続けるよう呼びかけました。
巨大地震注意の呼びかけが終了することを受け、和歌山県は対策本部会議を開き、今後の対応について検討を始めています。
■和歌山・白浜町では全ての海水浴場で遊泳再開
【記者リポート】「白良浜(しららはま)海水浴場です。およそ1週間ぶりに海水浴客の姿が戻ってきました」
朝から多くの観光客で賑わった和歌山県の「白良浜海水浴場」。関西有数の人気を誇る“レジャースポット”でしたが…。
8月8日に発表された「南海トラフ地震臨時情報」を受け、白浜町は町内4つの海水浴場を閉鎖し、14日まではガランとした様子に。
白浜町は避難経路など安全確保の確認を進めた結果、15日から、全ての海水浴場で遊泳を再開しました。
【海水浴客】「最高です。今日再開すると聞いたので、もう一泊連泊に」
【海水浴客】「いいですね、海は。孫が楽しみにしていたので一緒に来ましたよ。思っているほど不安には感じてないです」
【海水浴客】「楽しいです」
【海水浴客】「ちょっと不安ですけど、大丈夫かなと」
【海水浴場のアナウンス】「強い揺れを感じた場合は直ちに陸へ上がり、避難行動を開始してください」
■宿泊予約のキャンセル相次ぎ5億円の損失
また、今回初めて臨時情報が出たことで見えてきたのは、「経済への想像以上のダメージ」でした。
白浜町では、海水浴場の閉鎖や花火大会が中止された影響で、宿泊予約のキャンセルが相次ぎ、旅館組合全体で5億円の損失が出ています。
一方、海水浴場を閉鎖しなかった町もあります。
南海トラフ地震が発生すれば、最大18メートルの津波が来ると想定されている、徳島県海陽町。
避難訓練を行うなど、対策は徹底しているとして、海水浴場は通常通り営業し、イベントの中止も求めませんでした。
【海陽町 三浦茂貴町長】「この地域に住んでいて起こった時には、こうすれば安全だということを常に考えて対策しているので、(営業を)やめるというよりも、もしこうなったら安全に逃げられる、安全に自分の身を守れるという対策ができていると自負していますので」
しかし、地元のダイビングショップでは、県外からの客を中心に予約のキャンセルが相次ぎました。
【ダイビングショップカアナパリ 石川 侃(つよし)さん】「お盆の時には結構たくさんキャンセルがありました。この時期に海に行くのはやめとこうという人たちもやっぱり増えたんじゃないかな。(経済的に)痛いですよね。稼ぎ時っていうのがありますのでね」
観光地に及ぼした大きな打撃。影響はいつまで続くのでしょうか。
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