金融庁の井藤英樹長官が7月の就任後初めて、FNNのインタビューに応じた。
井藤長官は「国民の暮らしの幸せ度を上げていくことが金融庁の究極の目標」として、「金利、為替、市場動向や技術革新を意識し、こうしたリスク要因がある中で、金融システムの安定を確保することが極めて重要だ」と述べた。
損害保険大手4社による顧客情報の漏えいや、三菱UFJ銀行などで起きた顧客の同意ない情報共有など、大手金融機関で問題が相次いでいることについては、「業務の信頼性という面ではより高い規律が求められる中
で問題が出ているのは極めて遺憾」とした。
「金融庁としての手当ての見直しを進め、しっかりとしたモニタリングで金融機関自身の体制や意識の改善を促し、信頼確保につなげていきたい」と強調した。
また、新NISAの利用者が増えていることについて「若い人を含め多くの方が投資に興味をもっていただいているのは非常に心強い」と述べる一方、投資詐欺が横行する現状には「改めて基礎的な投資への知識を持ち、うまい話にはまず警戒感を持って接してほしい」と警鐘を鳴らした。
短期的な株価の動向については、一喜一憂することなく「資産形成には長い軸足を持って、「長期・分散・積立」を基本として投資に取り組んでいただきたい」と促した。
こうした投資をめぐる環境について、金融経済教育推進機構の本格稼働をはじめとして、金融庁は「金融や経済を学ぶ機会を広く展開していく」として、国が提供する投資教育の活用を呼びかけた。
井藤長官は「テレビドラマの影響で金融庁は強権的で怖いようなところのように思われているかもしれない」と苦笑しながら、「金融庁は目的は国民の皆さん方の幸せの向上を図るという目的のもと、そのためには何でもするとの思いでやっていく」として「国民の皆さまには、あたたかい応援や、問題点にはフランクに指摘をいただきたい」と強調した。
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