今回の大雨で、戸沢村の「最上川舟下り」には、11隻の観光船が流される深刻な被害があった。船の捜索を続ける中、1隻は約100キロ離れた秋田で見つかっている。

対岸の山が大きく崩れた最上川舟下りの出発点(戸沢村)。
船着き場ではきのう(30日)も片付けや修復作業が行われていた。

(最上峡芭蕉ライン観光船舶課・三瓶勇係長)
「通路は水没した。水が引いたらドーム(屋根)の上に流木が乗っていた。過去最高水位です。平成30年8月6日が最高(8.52メートル)だったが、今回は10.57メートル。ここまで上がった、この階段まで。この辺…あと一歩でここも乗り越えるところだった」

これがその時の映像。
観測史上最も高い10.57メートルの水位にまで上昇した船着き場。川岸に係留していた観光船は次々に濁流にのまれ、16隻のうち11隻が下流に流された。

ほとんどは庄内町で見つかったが、「第二十芭蕉丸」が酒田市の河口付近で、そして「第1もがみ丸」は約100キロ離れた秋田・にかほ市の海岸に漂着。発見した漁師が金浦漁港に運び込んだ。
屋根はなく傷だらけだったが、補修すればまだ使える状態だという。

(三瓶係長)
「かなりの距離を流されたんだと驚いた。長いこと迷惑かけられないので回収に行って、なるべく早く持ち帰って修理したい」

流された11隻のうち2隻がまだ見つかっていないが、雨は峠を越え、川の水位も平常時の1.8メートルまで下がったことから、最上峡芭蕉ライン観光はあすから流されずに残った5隻の船で運航再開することを決めた。

(三瓶係長)
「戸沢村はいま非常に大変な状況だが、応援に駆けつけてくれるお客さまに少しでもお返しができるように、船頭が唄を唄うのでぜひ来てください」

豪雨災害からあすで1週間。復旧に向けた歩みは少しずつ始まっている。

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