物価や住宅ローンの利払いに大きな影響を与える「金利」について、日銀はきょう、引き上げを決定しました。私たちの生活はどう変わるのでしょうか。
横浜市にあるスーパー。頭を悩ませていたのが、あす8月からの値上げです。
スーパーセルシオ和田町店 久保田浩二さん
「いま、税抜き価格99円のものが、あすからは119円。薄力小麦粉、20円の値上がり」
パスタやソースなどの「加工食品」から調味料、そして、チョコレート菓子まで。ある調査では値上げは642品目に。さらに…
スーパーセルシオ和田町店 久保田浩二さん
「10月あたりの値上げは、また大幅に増える」
9月、10月はアイスや飲料、パックごはんなど2000品目規模の値上げラッシュです。
スーパーセルシオ和田町店 久保田浩二さん
「円安の影響をすごく受けるものに関しては、消費者の気持ちに立って値段を決めていかないと、本当に見放されてしまう」
歴史的な円安による物価高。ようやくそのリスクに日銀も向き合いました。
日本銀行 植田和男 総裁
「円安の物価への影響ですけれども、重要なリスクとして認識して、政策判断の一つの理由とした」
きょう、日銀は追加の利上げを決定。0%から0.1%としていた短期金利を0.25%に引き上げます。
日銀が利上げをすれば、5ポイント以上も開いているアメリカとの金利差が縮まり、“超円安”が少しやわらぐ可能性も。では、実際に円相場は…?
さきほど、一時1ドル150円台前半をつける場面も。きのうと比べ5円程度円高が進み、4か月ぶりの円高水準です。
また、気になるのは家計への影響。銀行に預ける預金の金利があがります。
さきほど、三菱UFJ銀行は普通預金の金利をこれまでの5倍にあたる0.10%に引き上げました。
でも、マイナスの影響は避けられません。利上げによって、増えるのは住宅ローンの返済額です。
50代女性
「一生懸命働いていて、賃金がそもそも上がらないのに、なぜ(金利を)上げるんだと。正直言うと不愉快なんですけど」
およそ8割の人が選ぶ「変動型」の金利。今回の利上げで0.15%程度あがるとみられています。4000万円を35年でローンを組んだ場合、月々2600円近く返済額が増えるとの試算です。
これから20年の返済に踏み出そうとする50代の方は…
50代
「不安だらけです。金利も上がってきてますし。正直、支払いを続けていけるかというところが常に頭にある」
本格的に迎えた金利のある世界、植田総裁は。
日本銀行 植田和男 総裁
「利上げといっても非常に低い水準での少しの調整。景気に大きなマイナスの影響を与えることはない」
ただ、長年にわたる超低金利からの変化に慣れるのは簡単ではなさそうです。
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