4月19日も1ドル=154円台と、現在、歴史的な円安になっていて、訪日外国人にとっては歓迎ムードに。一方で、様々なものを輸入に頼る日本。モノの値段は上がる一方です。

 (MBS大吉洋平アナウンサー 4月17日)「関西空港の国際線出発フロアに来ていますが、行き交う人のほとんどが海外からの観光客の皆さんですね。日本人旅行者を見つけようと思っても、なかなか出会うことができません」

 関西空港には、大勢の外国人観光客の姿が。日本を選んだ理由、やはり「円安」だからでしょうか?

 (大吉アナ)「旅行するうえで現在の円安の状況をどうみている?」
 (フランスから)「それはもちろん円安はいいこと。私たちにとってはうれしいことです。10日間の滞在中、1日500ドルは使おうと思います」

 (韓国から)「韓国国内を旅行するよりも日本の方が安いと思って日本に来ました。円が安い間にもっと日本に来たいと思っています」

 フィリピンから来た男性に旅行の目的を尋ねると…

 (フィリピンから)「日本はビンテージの商品がとても安いのでよく買います。新品の商品でもすごく安く感じます。日本はそういったものが安く買えます」
 (大吉アナ)「何を買いましたか?」
 (フィリピンから)「ルイ・ヴィトンのバッグを買いました」

 円安を狙って、高級ブランドのバッグを2つ購入したといいます。
 
 一方、海外へ向かう日本人にとっては大きな痛手になっています。

 (海外に向かう日本人旅行者)「(行先は)ハワイです」
 (大吉アナ)「米ドルと日本円を比べるとどうですか?」
 (旅行者)「ちょっと引きますね…ちょっと円安がひどいですね。円安を感じるのは晩ご飯を食べに行った時とかじゃないですかね」

 少しでも節約しようと思いついたのが…

 (旅行者)「飲み物を日本の空港の制限エリア内で買って、向こうで買わないでおこうかなって」
 
 結局、飛行機に乗る直前に手持ちの鞄に入る分だけ買って行ったそうです。
 
 そして、両替所では…

 (海外に向かう日本人旅行者)「イタリアに行きます。3万円替える」

 この日、関空でのレートは1ユーロ=171円。3万円を両替して約175ユーロになりました。

 (大吉アナ)「買い物はたくさんする予定ですか?」
 (両替した旅行者)「買い物はしない。もう行くだけで」
 
 (両替した旅行者)「レートが低くてショックです。仕方ないです」
 (大吉アナ)「今、円安ですが?」
 (旅行者)「息子に『今なんで行くねん!』って言われました」

 大吉アナウンサーが向かったのは、大阪・難波にある海外送金の専門業者。200か国以上に、銀行よりも安い手数料で送金できるとあって多くの利用客が訪れます。フィリピンの家族に送金したという女性。19日には、2000フィリピンペソを送金するのに約5800円かかりました。

 (大吉アナ)「円安が進んでいますが、送金するお金に違いはありますか?」
 (女性)「全然違います。話を聞いてちょっと驚きました。5000円払えば2000フィリピンペソ以上送金できると思っていた」

 この、歴史的な円安。一般的に、生活している私たちにとって、円安はいいこと?悪いこと?どうのように考えたらよいのでしょうか。専門家に素朴な疑問を投げかけてみると…

 (みずほ銀行チーフマーケット・エコノミスト 唐鎌大輔さん)「輸出している会社を中心に好業績、だから株も好調で、円安全てが悪いとは断罪できませんが、生活者目線では悪いということのほうが多いでしょうね」

 そして、いま「円」の相場は、世界のほとんどの通貨に比べて弱くなってしまっているといいます。

 (唐鎌大輔さん)「対ドルでの変化率を比べた時に、日本はかなり弱いが、もっと弱い通貨は、トルコリラとアルゼンチンペソぐらいしかないです。日本は一応G7なので、G7の通貨がそういう通貨に比べられるような立ち位置にいていいんだっけ?と、よくないですよね、どう考えても」
 (大吉アナ)「G7のひとつで貨幣が乱高下しているのは日本ぐらい?」
 (唐鎌大輔さん)「そうです。間違いないです。他の通貨はこんなことになってない」
 (大吉アナ)「どうすれば状況が変わるのでしょうか?」
 (唐鎌大輔さん)「円が安いことをいかしてどうやって外貨を稼ぐのかというのがこれからの日本の課題です」

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