(ブルームバーグ):共和党大統領候補のドナルド・トランプ氏は、再選されれば米証券取引委員会(SEC)のゲンスラー委員長を解任し、暗号資産(仮想通貨)に友好的な人物を選ぶと述べた。
トランプ氏は27日、テネシー州ナッシュビルでのビットコイン会議で「米国が地球上の暗号資産の首都となり、世界的なビットコイン大国となることを確実にするための計画を示そう。われわれはそれを成し遂げるだろう」と語った。
2026年まで任期のあるゲンスラー委員長を解任するとトランプが発言すると、集まった観衆から大きな歓声が上がった。再び大統領となればトランプ氏は、急成長する仮想通貨業界を管轄する主要な規制当局に大きな影響力を持つことになる。
「規制はあるだろうが、これからは仮想通貨業界を憎むのではなく、愛する人々によってルールが書かれるだろう」とトランプ氏は語った。
さらに、暗号資産業界についての大統領諮問委員会の設置、ステーブルコインの枠組み創設を約束し、取り締まりの規模縮小が必要との考えを示した。
ビットコイン採掘業者、クリーンスパークの共同創業者で最高経営責任者(CEO)のザカリー・ブラッドフォード氏は、トランプ氏の演説を「歴史的瞬間」と表現した。トランプ氏は採掘業者にも繰り返し言及し「米国は誰もが認める世界のビットコインマイニング大国になるだろう 」と語った。
ナッシュビルでの演説は、トランプ氏が暗号資産技術を受け入れ、業界の利益の擁護者として自らを位置付けようとしていることを示すデモンストレーションの一つだ。
同氏は大統領在任中には仮想通貨について懐疑的な見方を示し、「ファンではない」、その価値は 「薄い空気 」に基づいている」と主張していたが、2024年の大統領選挙キャンペーンでは方針を転換し、演説でビットコインを取り上げ、積極的に業界の支持を得ようとしている。
原題:Trump Pledges to Fire Gensler, Hire People Who ‘Love’ Crypto (1)(抜粋)
--取材協力:Bill Allison、Olga Kharif、Michael P Regan.
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