7月22日、夏休みに入ってすぐにおきた新幹線の車両事故。国内外の観光客など約25万人に影響が出ました。車両に一体何が起きたのか?、もし自分が遭遇したら?でも…やっぱりすごい!日本の新幹線についてまとめました。

あの日、一体何が起こった?

 22日、東海道新幹線が名古屋-浜松間(上下線)で終日運転見合わせに。原因は午前3時半ごろに三河安城-豊橋間でおきた「車両衝突事故」でした。現場には「砕石運搬散布車」と「マルチプルタイタンパー」と呼ばれる2種類の保守車両がありました。

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 「砕石運搬散布車」は9両編成で砂利を積んでいて、時速約40kmで、前に止まっていた「マルチプルタイタンパー」に衝突しました。「マルチプルタイタンパー」は線路のゆがみを直したり突き固めるという作業をする車両で、乗っていた2人が重傷だということです。

今回の事故の2つの謎

 今回の事故について2つの謎、1つ目は「なぜブレーキは作動しなかったのか?」。会見では、ブレーキをかけようとしたが作動しなかったと言われています。

 2つ目は「車両防止システムは?」。車両には衝突防止システム(GPSなどで他の車両に近づくと自動でブレーキがかかるという仕組み)が搭載されていて、システム自体は動いていたと会見で発表されています。ただブレーキがかからず、何らかの不具合があったのか、今後解明を進めていくとしています。

実はすごい!保守車両の『仕事』

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 では、そもそも保守車両とは何をするものか。新幹線の線路は東京-大阪間だけでも550km。保守車両は、その間の歪みや浮き沈みをミリ単位で普段から点検しています。

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 線路には、盛り土の上に硬さを保つために、バラスト(=砂利)を敷いていて、それがクッションにもなり騒音・振動の防止になるということです。しかしバラストを敷いた上に枕木と線路を敷いているため、高スピードで走ると砂利が飛んだり、今のような暑い時期は線路が伸びてしまったり、だんだん沈んでいったりするそうです。そのため1年間かけて毎日どこかの区間で砂利を足し、高さを保っているのです。

運転中止に遭遇したら…交通費は?

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 もし運転中止に遭遇してしまったらどうすればいいのでしょうか。

 まず「払い戻し」について。例えば、新大阪から東京に行くつもりで名古屋で止まった場合。乗車をとりやめた場合は、基本的に全額返ってきますが、名古屋で降りた場合は、名古屋から東京の分のみが返還されます。一方、出発駅に戻った場合は、全額返還されるうえに、出発駅に戻る費用も不要だということです。

 ただし、払い戻しの期限は事故の翌日から1年間です。当日は払い戻し窓口は大行列になるため、後で落ち着いてからでも構わないというのを覚えておいてください。

大阪-東京間 迂回ルート

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 今回の運転休止の場合、以下の迂回ルートが考えられます。

▼新幹線が止まっている区間の在来線を使用するルート
 (今回なら名古屋-浜松間 費用:1980円 所要時間:約1時間40分)

▼特急サンダーバードなどで敦賀まで行き、敦賀から北陸新幹線を使うルート
(費用:約2万円 所要時間:約5時間)

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 高速バス・飛行機・タクシーという選択肢もあります。タクシーは新大阪から東京で約20万円ですが、4人で合わせて乗れば一人当たりは5万円。様々な手段を想定しておくことが重要かもしれません。

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