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 物価上昇や老後5000万円問題などで将来不安が募るなか、今からできることの1つが「貯金」。街頭インタビューでも「貯金があると安心できる」といった声があがる中、約7割の人が貯金しているというデータも。

【映像】「貯金はモテない」29歳元プロサッカー選手の“散財”履歴

 しかし「少しでも貯めないと」と思いがちな風潮に、真っ向から反論する人もいる。『ABEMA Prime』では、お金の使い方と貯め方について考えた。

■元プロサッカー選手「貯金するやつはモテない」

 元プロサッカー選手の土橋優樹氏(29)は、「貯金は損で、有り金は全部使うべき」と主張する。「お金を使わないと成長できない。自分は筋トレを頑張っているが、パーソナルトレーニングに100万円使えば、シックスパックの体を手に入れられる。使わなければデブのままで、何も成長がない」。

 土橋氏の持論は「貯金は成長を止める! 金は使い切る」だ。成長や経験に全財産を費やし、「貯金するやつはモテない」「口座残高が増えると不安」「貯金すると人生失敗する」と考えている。

 主な資金源は「運営している恋愛学校の収益」だというが、「お金を稼ぎ始めてから使うようになったわけではない。昔からバイトする時間が無駄だと思っていて、借金もしていた」と明かす。

 あらゆる場所でお金を使うことで、「その経験で稼げたり、こういう場に呼ばれて話ができたりする」ことがメリットとなるという。「貯金する男は、何をやってもうまくいかない。念のため10万円ぐらいはあるが、健康に投資しているため老後に病気でお金が必要になる可能性も低い」と語った。

■67年貯金なしのオバ記者「欲望を貯金ごときで止める理由がわからない」

 “オバ記者”を自称するライターの野原広子氏(67)は「お金なんて貯める必要がない」と豪語する。「貯金よりも欲望が上回る。その欲望を貯金ごときで止める理由がわからない。いらぬ金を集めるのを貯金と言う」。

 2年前、卵巣がんの疑いがあり、12日間の入院と手術を経験。しかし、高額療養費制度や低所得者であることを理由に、70万円の医療費が10万円前後に減額された。この経験から「やはり貯金しなくても生きていける」と話す。

「働けなくなった時もあったが、収入がゼロにはならなかった。年300〜500万円の収入があれば、低空で幸せな生活はできる」

 また、「お金がないことも良い教育になる」と指摘。「私自身に子どもはいないが、お金のない環境で育った中で、親の『出してあげたい』切なさを見るのは、子どもにとってそんなに悪いことではないように思う。子どもが歩きやすいように、親がお金を用意するのが前提になるのはよくない」との考えを示した。

 ファイナンシャル・プランナーの高山一恵氏によると、65歳で必要な貯金額は約1600万円(生活費+医療・介護費※総務省「家計調査」2023年度より算出)。65〜95歳の30年分の必要資金(年間支出×30年+500万円=老後金額)を計算し、この金額を50歳から貯金や投資、iDeCoなどで準備する。働けるうちは長く働けば必要な老後資金は減らせることができ、理想は「老後やりたい事」の金額もプラスして貯蓄することだという。

 すでに野原氏は、上記の50歳という年齢を過ぎている。持論は「老後の安心は貯金では買えない」で、70歳は年金申請・ライター継続、80歳は年金で若い人におごる、90歳は高額療養費制度を活用するライフプランを立てているものの、いずれも貯金はしない方針だ。

 目標は「死ぬまで原稿を書く」こと。「生活保護を受けるかわかわもしれないが、そうしたら『生活保護の暮らし』というテーマで原稿を書ける。お金を持っていても、病気にならないわけではない。お金に救われたことは、67年の人生でそんなにない」と語った。

■田端信太郎「何にでも適齢期はある。若い時のほうが“投資回収”はしやすい」

 「貯金0円で死ぬのが理想」という考え方もある。『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』(ビル・パーキンス著/児島修訳、ダイヤモンド社)では、死ぬ時の貯金分は「タダ働き」と同じで、資産をどう使い切るかに焦点を当てている。人生で一番大事なのは「思い出」であり、人生は経験の合計だと説いている。

 この本を薦めるアクティビスト個人投資家の田端信太郎氏は、「『貯金』という言葉は嫌いで、『投資』と言いたい」と、両者の違いを説明する。「貯めること自体には意味がなく、何に使って、何を得たかが大事。例えば語学留学するとして、20代も60代も数百万円かかる。20代で借金して留学しても止めないが、60〜70代なら大丈夫かとなる。物事には適齢期があり、若い時の方が投資を回収できる期間が長い」。

 そして自身の「お金が欲しい」という思いについて、「『自由』を手に入れたいからだ。お金があれば、嫌な仕事も断れるし、炎上して会社をクビになってもいい。生きたいように生きることを貫くために、物よりも自由を買いたい」と語る。

 モデルの佐藤かよは「あったら使ってしまう派だった」が、考えが変わりつつあるという。「結婚願望がなく、予定もない。この先、自分一人で生きることも考えると、ある程度は貯金しなくちゃいけないと思い始めている。身の丈がわかっていればいいが、独り身だとある程度のお金がないと心配だ」。

 歌手でモデルの當間ローズは、「ほどよく貯金して、ある程度貯まったら使う」とバランスを取っている。「最近では土地を買った。地元に還元したい気持ちと、一定以上貯まったら使わないと損をする考えがあった」。また、「外国籍では、借金しようとしても手続きが面倒だ。ある程度は貯金しないと、病気をした時に対応できなくなる」との事情を明かした。

 プロスケーターで元フィギュア世界女王の安藤美姫は「貯金したいが、あまりできていない」のが現状だと告白。「人によって価値観は違う。貯金額を見て幸せを感じる人もいれば、自分が欲しいものを買うことで幸せな人もいる。私は否定も肯定もせず、真ん中の立ち位置だ」とした上で、「子どもができ、娘が興味を示したものには必要なお金を使いたいと思っている。もし身にならないとしても、やりたいことを応援できるだけのお金は稼いであげたい」と述べた。(『ABEMA Prime』より)

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