(ブルームバーグ): 米通貨監督庁(OCC)は監督する大手銀行の半数で、サイバー攻撃から従業員の不祥事に至る幅広い潜在的リスクの把握において不備があると判断した。事情に詳しい複数の関係者が非公開の情報であることを理由に、匿名で明らかにした。
OCCによる部外秘の評価によると、大手銀行22行のうち11行でオペレーショナルリスクの管理が「不十分」もしくは「弱い」とされた。
関係者らによれば、この結果として大手米銀の約3分の1が総合的な経営の5段階評価で3以下と判断された。昨年に相次いだ銀行破綻を踏まえ、米規制当局は大手銀行のリスク管理レベルを懸念している。
オペレーショナルリスクは銀行の総合的なリスクを評価するカテゴリーの一つ。各銀行の個別評価は開示されないが、当局は他の規制機関や業界との協議において、集計されたデータを用いて問題点を説明することがある。
OCCはオペレーショナルリスクの評価を「CAMELS」と呼ばれる主要リスク指標に反映させる。CAMELSは資本レベルの適切性や資産の質、経営、収益、流動性、市場リスクへの感応度のそれぞれで5段階の評価を行う。こうした評価に基づいて銀行審査や、各行が可能な活動や最低資本水準の度合いなどが決まる。
OCCは非公開の調査結果について具体的なコメントは控えた。声明では、マイケル・スー長官代行が「各行との継続的な協議において、油断することなく積極的にリスクを管理する必要性を指摘し、銀行システムへの信頼性を構築し維持するよう促している」と説明している。
原題:Secret Bank Ratings Show US Regulator’s Concern on Handling Risk(抜粋)
(詳細と通貨監督庁(OCC)の声明を加えます)
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