円安が止まりません。現在の円相場は153円台前半で推移しています。およそ34年ぶりの水準まで下落した円相場は、旅行需要が本格化するゴールデンウィークにも影響が出そうです。

新婚旅行客
「(旅行先は)イタリアとフランス。海外旅行にするか国内旅行にするか悩んだ」

新婚旅行客が行先を悩んだ一方、笑顔なのは…

アメリカからの旅行客
「(円安で)想定以上に得をしたので、予定になかったディズニーランド以外の観光もたくさんできそうです」

止まらない円安。異変が起きたのは、きのう夜でした。

「うぉー、めっちゃ走ってる。152円超えました」

午後9時半に1ドル152円台を突破。その後も円は売られ続け、早朝には153円24銭まで下落しました。実に1990年以来、およそ34年ぶりの円安水準です。

円安の理由。それはアメリカで発表された3月の消費者物価指数の伸び率が市場の予想を上回り、中央銀行にあたるFRBの利下げ観測が遠のいたことにありました。

日銀は先月、マイナス金利を解除しましたが、依然、日本とアメリカの金利には大きな開きがあります。当分、この「差」が縮まらないとの見方から円売り、ドル買いの動きが強まったのです。

きょう午後も…

記者
「ドル円相場、円安が進んで153円台、再びつけています」

一晩で1円以上も急速に円安が進んだことに対し、政府からも市場をけん制する動きが。

鈴木財務大臣
「行き過ぎた動きに対しては、あらゆるオプションを排除することなく適切に対応していく」

神田財務官
「過度な変動は国民経済に悪影響を与える」

市場では、政府・日銀による為替介入への警戒感が一段と高まっています。本当に為替介入に踏み切るのか。また、それはいつのタイミングか。政府・日銀と市場の駆け引きが続いています。

急激な為替変動は歴史的な物価高をさらに加速させる恐れがあります。

パワーミート セルシオ 鶴田聡 部長
「輸入物の原価が上がっていくなかで、より良いものをより安く出すと考えた時に、ここまで仕入れ(価格)が上がると国産牛だけの方がいいとの判断もある」

こちらのスーパーでは、精肉売り場のおよそ3割が輸入した肉ですが、この2年で仕入れ価格が1.5倍~2倍ほどにまで値上がりしているといいます。

80代
「618円、これを買いました。アメリカ産もいいんですけど、高いですから国産にしました」
30代
「(1ドル153円は)ちょっとあり得ない額かなって。感覚的に1ドル110円とか120円の感覚でいたので、オオって思って」

アメリカで続く根強いインフレを背景に進んだ円安は今後、私たちの生活にも「物価高」の形で跳ね返ってくることになります。

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