出版者や電子書籍流通事業者、通信IT事業者などで構成する一般社団法人ABJは、7月17日の漫画の日にあわせて、世界4カ国同時に「ありがとう」を伝える新聞広告を打ち出した。
2023年3月に日本国内で始めた漫画の海賊版対策「ありがとう、君の漫画愛。」キャンペーンを世界に向けて本格的に実施したもので、当時「海賊版を読むのはやめよう」ではなく「正規版を読んでくれてありがとう」と呼びかけるユニークでポジティブな啓発がSNSなどで話題になった。
今回、広告はアメリカのニューヨーク・タイムズをはじめとする4紙に掲載され、「ワンピース」や「呪術廻戦」などを全面に起用。広告内のQRコードを読み込むと、漫画作品からの「ありがとう」の歌も聴くことができる仕組みになっている。
国内ではこのキャンペーンの効果もあって、月間2億を超えていた日本向け海賊版上位10サイトへの合計アクセス数を半減させたという。
しかし世界では英語翻訳の海賊版大手10サイトへの合計月間アクセス数は5億を超えている(2024年5月期)ほか、タダ読みされた金額は月1311億円との試算もあり、被害は年々深刻化している。
小学館は「クリエイターの努力の結晶である作品を守り、漫画文化の発展に寄与するために、海賊版対策を続けてまいります」としている。
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