小さいころ、川遊びなどで触れ合ったメダカ。そのメダカが今、姿を変えて人気を集めているというのです。

 MBS山中真アナウンサーがやってきたのは、東大阪市にある「改良めだか専門店 めだか屋Me」。販売されているのは、さまざまな色や形のメダカを交配させた改良メダカ。小さくてかわいいだけじゃない、美しい色合いが特徴です。

 (めだか屋Me 桃田一成店長)「『グラディオ』というんですけど、ヒレが開きが大きくて」
 (山中真アナウンサー)「確かに、ヒラヒラーっとしてお着物か、お洋服かという感じ」
 (桃田一成店長)「特に人気がある『ミッドナイトフリル』は、渋くて黒味が濃い」

 他にも、光を反射し、目が青く光っているように見えるメダカや、まるで錦鯉のような色鮮やかなメダカも。

 ちなみに、お値段は1ペア1000円~2万円ほど(税込み ※種類、状態により値段は変動)。お客さんの多くが観賞用ではなく、繁殖させるために購入していくと言います。

 (山中真アナウンサー)「今のメダカブームは、基本的にはみんな増やしたいんですね?」
 (桃田一成店長)「そうですね。増やしたい方が多いです。自分たちでより良いものを作ろうとできるのが改良メダカの魅力ですね」

 なんと今、メダカの繁殖にハマる人が増えているのです。専門家は、メダカのある性質がブームを加速させたといいます。

 (めだかやドットコム代表 青木崇浩さん)「メダカは『トランスポゾン遺伝子』という変異遺伝子が大きくて、突然変異をたくさん起こす動物であるっていうのが研究でも出てて、新しい見たことのない品種に出合うこともできる」

 さらに日本に昔からいる魚のため、飼いやすさもポイント。カルキを抜けば水道水でも飼育ができ、温度管理も簡単。2か月ほどで成魚となり2、3年の寿命の中で、メスは数千個もの卵を生むため、さまざまな柄や形のメダカを繁殖できることも魅力だといいます。その掛け合わせは無限大だそうで…

 (めだかやドットコム代表 青木崇浩さん)「メダカには白・黒・黄の3色の色素がある。白・黒・黄だけです。混ぜ合わせた色合いはメダカで表現できるっていうことの証明。あとは体形。例えば『ヒカリメダカ』とか『ダルマメダカ』とか、いろいろいますけれども。例えば『ヒカリダルマメダカ』とか複合的になればなるほど、難しいわけですよ。当然高額な金額が付くわけですよね。」

 こうした中、高額な改良メダカを狙った事件も起こっています。

 「がく然として、1週間ぐらい寝込みました」

 こう語るのは、神戸市須磨区に住む男性。去年11月から12月にかけて、男性が販売用に育てていた改良メダカ約1800匹が、何者かによって盗まれる被害にあったといいます。

 被害にあったメダカは、1匹数千円で取り引きされ、被害額は約460万円。男性は今年5月にも新たに50匹のメダカを盗まれる被害にあい、飼育場所を変更することを余儀なくされました。

 (メダカを盗まれた男性)「ナイーブなメダカも結構多いんですよ。人慣れさせたりとかから始めるので、だいぶ手塩にかけたつもりだったんですけど、今でも思い出したら夜眠れなくなってしまう」

 専門家は、窃盗事件が起きる背景にはビジネスとしての人気もあるといいます。

 (めだかやドットコム代表 青木崇浩さん)「コロナになって巣ごもり需要で、ご家庭でメダカを飼育する方が増えて、飼育者が倍増したような感覚を持ってます。特にコロナのときは副業ビジネスとしてメダカで起業したいという声もすごかったですね」

 ただ、もちろんビジネスだけでは語れない魅力も…

 (めだかやドットコム代表 青木崇浩さん)「やっぱりメダカっていうのは繁殖をして、生き物が生まれてくる神秘に触れることができるんですよ。それだけじゃなくて育てるし、抜け出せないっていうような、楽しくて。沼に入っちゃうんですよ。そういった部分がかなり強いと思いますね」

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