京都の人気ラーメン店が、8日から京都産の竹で作った「メンマ」の提供を始めました。

実は、この「メンマ」が日本全国に広がる「ある問題」の解決策になるかもしれません。

8日から京都のラーメン店「キラメキノトリ」で提供が始まったのは、「京都産のメンマ」。

京都府内の竹を仕入れて、セントラルキッチンで調理した「自家製メンマ」です。

およそ9割を輸入に頼る「メンマ」をなぜ一から作ろうと思ったのか…。

そこには社長の強い思いがありました。

■メンマを食べて放置竹林問題を解決する?

【キラメキノ未来 久保田雅彦社長】「放置竹林問題を京都のラーメン屋が解決する。メンマを食べることが、京都の放置竹林問題を解決するというところにつながっている」

メンマを食べて放置竹林問題を解決する?一体、どういうことなのでしょうか?

ことし5月、久保田さんに案内してもらったのは、「京たけのこ」の名産地、京都市西京区大原野の竹林。

【キラメキノ未来 久保田雅彦社長】「こちらにあるのが幼竹となります。(幼竹は)タケノコのシーズンが終わってから出てくる竹の子ども。これもうほっておくと、数か月で20mまで伸びてしまいます」

このラーメン店が「メンマ」に使っているのは、たけのこが伸びきってしまい、固い竹になる手前の「幼竹」というもの。

この「幼竹」も地面から顔を出して、まだ一週間ほどですが、竹は成長のスピードが早く、間引くことができないと、無造作に竹が生えすぎて密度が高くなる「放置竹林」の原因になってしまうといいます。

日本では、放置された竹林が全国各地で増えていて、竹が太陽の光を遮り、他の植物の成長を妨げたり、浅く根を張り巡らせるため、土砂災害を引き起こしたりする危険性が高まります。

■売り物にならなかった竹をラーメン店が買い取る

そうした現状を知った久保田社長が目をつけたのが、幼竹を使ったメンマづくりでした。

【キラメキノ未来 久保田雅彦社長】「これまではシーズンが終わったタケノコになりますから、商品価値がないので、この場で切り倒してしまって、腐らせて土にかえす。今回、『京都産メンマプロジェクト』で幼竹にも商品価値がつきますのでこれを買い取りさせていただいて、メンマを作っています」

これまで売り物にならなかった竹を、1本700円から1000円でラーメン店が買い取るということで、およそ20人の竹林関係者が協力してくれるみんなに「おいしい」プロジェクトになりました。

■「メンマ」を作るためにカットする専用の機械も導入

伐採し、皮を剥いた「幼竹」は、セントラルキッチンに運びこまれ、メンマの形に加工。

【キラメキノ未来 久保田雅彦社長】「4センチから8センチにそろえるようにしています。本来のメンマだと長さが全部そろっていると思うんですけど、自家製メンマなんで、節と節の間を使うので、多少長いのも短いのがあるのも、ひとつの商品価値かなと」

この「メンマ」を作るためにカットする専用の機械も導入する本気ぶり。

ゆでたあとは、およそ2か月塩漬けして待ちます。

提供前に塩抜きして、再度、醤油で味付けすれば「京都産メンマ」の完成。

塩・醤油・味噌の「鶏とんこつらーめん」にのせて提供されています。

■提供初日の来店客の反応は

提供初日となった8日、ラーメンを頼んだ多くのお客さんが、「京都産メンマ」を味わう姿が。

気になるお味はどうなんでしょうか?

来店客「普通のメンマよりシャキシャキしていておいしいなと思いました」
来店客「こりこりしていて、食感がしっかりしていていい感じ」
来店客「(Q食べて社会貢献という意味もがあるが?)すごくいい活動だと思います。お手軽で、880円ですし(笑)」

今は、「キラメキノトリ」の4店舗で数量限定で提供されていますが、今後20店舗全てで「京都産メンマ」に切り替えられれば、およそ4000本の「幼竹」を活用できるそうです。

■久保田社長はさらにこのプロジェクトを広げていきたいと話す

久保田社長は、来年以降はさらにこのプロジェクトを広げていきたいと意気込んでいます。

【キラメキノ未来 久保田雅彦社長】「来年の春には、ことしの何倍ものメンマを作ることとか、京都のラーメン屋さんがみんなこの京都産メンマプロジェクトに参加してもらって、より多くの放置竹林が解決していくのにつながれば、すごくうれしいなと」

「ラーメンを通じて社会貢献」京都の人気ラーメン店の挑戦はこれからも続きます。

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